シャープ株式会社(大阪府堺市)は6月23日、第117期定時株主総会で「当社株式の大量買付行為に関する対応プラン(買収防衛策)」の継続を承認した。継続は株主の承認を条件に取締役会が決めていた。影響範囲は同社株式の大量買付行為への対応に及ぶ。外部流出や拡散は示されていない。総会後の取締役会で対応を進める構えだ。本件は大量買付への対応枠組みを維持し、意思決定の監督体制を更新する動きとなる。
同社は4月27日の取締役会で、6月23日の株主総会での承認を条件に買収防衛策を継続する方針を決定していた。これを受け、株主総会で第5号議案「当社株式の大量買付行為に関する対応プラン(買収防衛策)継続の件」が可決され、買収防衛策の継続が正式に承認された。シャープはこの枠組みを企業価値と株主共同の利益の確保・向上に向けた対応手段と位置づけ、運用を続ける。
シャープが特別委員会刷新
株主総会後に開いた取締役会では、総会で新たに選任された社外取締役の加藤誠氏と、社外監査役の奥村萬壽雄氏を、買収防衛策における特別委員会の委員に選任する決議をした。特別委員会は買収防衛策の運用に関わる判断過程で一定の役割を担う枠組みで、委員の人選は制度運用の実務に直結する要素となる。
特別委員会は買収防衛策の運用に関わる判断過程で一定の役割を担う枠組みで、委員の人選は制度運用の実務に直結する要素となる。
特別委員会の委員には、シャープの社外取締役である伊藤邦雄氏も含まれる。伊藤氏は一橋大学で商学分野の教授職を務め、同大学の大学院商学研究科長・商学部長、副学長・理事などの経歴を持つ。シャープの社外取締役には平成21年6月に就任した。学術的な知見を背景に、特別委員会の構成メンバーとして名を連ねる。
社外取締役と社外監査役を起用
新たに委員に就いた加藤氏は、伊藤忠商事株式会社で取締役、常務取締役、代表取締役専務取締役、代表取締役副社長、取締役副会長などを歴任し、平成23年6月にシャープの社外取締役に就任した。買収防衛策の特別委員会への参加は、株主総会での新任と同日の意思決定となった。
なお、注記として、シャープは加藤氏とアドバイザー契約を締結していたが、当該契約は6月23日で終了した。
奥村氏は、平成13年5月に大阪府警察本部長、平成14年8月に警察庁警備局長、平成16年1月に警視総監を務め、平成18年3月から財団法人全日本交通安全協会の理事長を務める。平成23年6月にシャープの社外監査役に就任し、今回、特別委員会委員に選任された。
監査役の立場で会社の監督機能に関わる人材が、買収防衛策の運用枠組みにも加わる形となる。
弁護士ら既任委員も継続
特別委員会には、弁護士の夏住要一郎氏も委員として名を連ねる。夏住氏は昭和50年4月に弁護士登録し色川法律事務所に入所しており、平成20年6月にシャープの社外監査役に就任した。
法務の専門性を持つ委員が引き続き関与することで、大量買付行為への対応局面で、手続きの適正性や運用面の整合性を意識した体制を維持する構図となる。
株主承認で枠組み維持へ
今回の買収防衛策継続は、4月27日の取締役会決定から6月23日の株主総会承認を経て正式決定に至った経緯をたどる。外部環境や制度変更などの追加要因は示されていない。
一方で運用面では、総会で新たに選任された社外役員を同日付で特別委員会に加え、委員構成を更新した点が焦点となる。取引・調達など実務の観点では、同社の大量買付行為への対応が特別委員会の枠組みに沿って進む前提となるため、意思決定の関与主体が社外取締役・社外監査役・弁護士で構成される点は、運用上の前提条件として押さえておく必要がある。
シャープは株主の承認に基づき、当社株式の大量買付行為に関する対応プランを継続し、特別委員会の委員構成を新任社外役員を含む形に更新した。
