セガサミーホールディングス株式会社(東京都)は5月13日、株券電子化に伴う「株券電子化対応の定款変更」を決めた。6月18日開催予定の第5期定時株主総会に付議する。対象は株券発行規定や実質株主関連の条文で、株券の外部流出や拡散といった事案は確認されていない。所定の手続きを通じ、株式事務の運用を制度変更に合わせる点が業界実務への影響となる。
今回の定款変更は、株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律(決済合理化法)の施行を受けたものだ。セガサミーホールディングスが主体となり、株券電子化後の取扱いに合わせて社内規程や条文の整合を取り直す。株主名簿管理人が担う株式事務の範囲を含め、制度移行後の運用を円滑化する狙いで、グループの株式実務の位置づけを整理する対応となる。
6月18日付で条文改定
日程は、定款変更のための株主総会を6月18日に開く予定で、効力発生日も同日とする。
取締役会は5月13日に「定款一部変更の件」を株主総会へ付議することを決議した。制度施行を踏まえ、株主総会決議と効力発生を同日にそろえる設計とした。
変更理由として掲げたのは決済合理化法への対応である。同法附則第6条により、株券電子化の施行日(平成21年1月5日)時点で、株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款変更の決議がなされたものとみなされる。
これを受け、定款上の条文整理を進める。
株券発行条文を削除
変更の柱は、株券発行に関する規定の削除と、関連条文の文言整理だ。
現行定款では第8条に「当会社の株式については、株券を発行する」との条文を置いていたが、変更案ではこの条文を削除する。これに合わせ、株券に関する文言の削除および修正を実施する。
あわせて条文番号の繰り上げも発生する。
例えば、現行で「単元未満株式の買増請求」を定める第10条は、変更案では第8条として再整理する。内容面では、実質株主を含むとする括弧書きの扱いを含め、電子化後の制度整合を優先して条文構成を見直す。
実質株主文言を整理
決済合理化法施行により「株券等の保管及び振替に関する法律」が廃止されたことも、定款修正の直接の契機となった。
セガサミーホールディングスは、定款規定のうち実質株主および実質株主名簿に関する文言を削除・修正する。現行定款では、株主名簿に「実質株主名簿を含む」とする表現などがあるが、変更案では該当箇所を削除する。
株式事務の取扱いに関しては、株主名簿管理人に事務を取り扱わせ、会社では取り扱わないとの整理を前提に条文を整える。
現行では、株式や新株予約権に関する事務として、名義書換や実質株主通知の受理、株券の再発行、株券喪失登録などを列挙していた。変更案では、株主名簿および新株予約権原簿への記載または記録、単元未満株式の買取りおよび買増しなどの表現を用い、法令・定款と取締役会決議による株式取扱規程の関係を明確化する。
株券喪失登録簿を附則化
株券喪失登録簿の扱いは、経過措置として附則に規定を設ける。
決済合理化法の施行日の翌日から起算して1年を経過する日まで、株券喪失登録簿を作成して備え置く必要があるためだ。附則では、株券喪失登録簿を株主名簿管理人の事務取扱場所に備え置くこと、株券喪失登録簿への記載または記録に関する事務を株主名簿管理人に取り扱わせ、会社では取り扱わないことを定める。
附則は時限措置とし、第1条から第3条までを設けたうえで、平成22年1月6日をもって削除する。
株券喪失登録簿への記載または記録については、法令または定款に定めるもののほか、取締役会において定める株式取扱規程によると整理した。こうした経過規定の設計は、制度移行期に発生し得る株券喪失登録の事務処理を、株主名簿管理人の実務に接続させる点が注目点となる。
今回の定款変更は、株券電子化の施行に伴う条文の削除・修正と、1年の経過措置を附則で受け止める構成で、株主総会を経て6月18日付で制度対応を完結させる流れにある。
