SBSホールディングス株式会社は、SBSネクサード株式会社、SBSフレイトサービス株式会社とともに、経済産業省の「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」の認定を受けた。安全・健康・快適な職場づくりを掲げ、グループ全体で従業員の働きやすさを高める取り組みを進める。
経済産業省は、日本健康会議の健康増進施策に基づき、地域の健康課題への対応などを踏まえて、優良な健康経営を実践する大規模法人を顕彰している。SBSホールディングスは物流サービス全般を手がけるグループの持株会社で、従業員の心身の健康を重視する姿勢を示してきた。グループ内の職場環境づくりを制度上の評価軸に結び付け、外部認定として可視化した形だ。
3社が大規模認定
「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」の認定を受けたのは、SBSホールディングス、SBSネクサード、SBSフレイトサービスの3社。SBSフレイトサービスは2024年から3年連続の認定となり、SBSホールディングスとSBSネクサードは初認定で、新たに2社が加わった。グループ内で複数法人にまたがる健康経営の取り組みを制度に沿って位置付けた格好となる。
同制度は、健康経営に関する取り組みを行う法人のうち、一定の評価基準を満たした企業を大規模法人部門などに区分して認定する仕組みだ。物流事業を中核とするSBSグループにとって、従業員の健康確保は日常業務の安全運行や人材定着と密接に絡むテーマであり、健康経営の枠組みを用いた職場環境づくりの重要性が増している。連続認定の法人と初認定の法人が並ぶことで、グループ内の取り組みが段階的に広がっている構図が浮かぶ。
規模面では、SBSホールディングスの連結売上高は4,903億円(2025年12月期)で、従業員数は27,994人(うち正社員14,986人)。従業員規模や事業領域が異なる複数社が同一の大規模法人部門で認定されたことで、物流サービス全般を担うグループとして、人材施策や労務運用を通じた横断的な健康経営の展開が焦点となる。
制度の裾野という観点では、健康経営優良法人認定は物流業界でも取得事例が増えている。ヤマトホールディングスは2025年に大規模法人部門で認定を受け、佐川急便(SGホールディングス傘下)は2024年と2025年に連続取得、日本通運も2026年の認定対象となった。認定企業が広がる中で、SBSグループも複数法人で名を連ねた形だ。
物流業の健康課題と市場拡大
SBSグループは「人を大事にすること」を経営理念に掲げ、従業員の心身の健康を重視した経営を打ち出してきた。今回、3年連続認定のSBSフレイトサービスに加え、SBSホールディングスとSBSネクサードが初めて認定を受けたことで、グループとして認定取得の範囲が拡大した。今後は、各社の取り組みを相互に参照しながら、制度を軸にした職場改善の横展開が進む可能性がある。
外部環境を見ると、運輸・物流分野の健康課題は政策や統計でも課題視されている。厚生労働省のデータでは、運輸業のメンタルヘルス不調申告率は12.3%と、全産業の8.1%を上回る。長時間労働にかかわる指標でも全産業平均より高い水準が指摘されるなど、労働時間管理や安全衛生が企業経営上の重要論点となっている。
背景には、健康経営に関する制度整備と、企業側の取り組みの可視化ニーズの高まりがある。健康経営市場の規模は2026年に1.2兆円に達するとの民間推計もあり、制度認定を起点とした施策の公表や、従業員向け支援策の拡充が各業界で進んでいる。物流業界では、人手不足や高齢化への対応も相まって、健康経営を人材確保やブランド戦略の一環として位置付ける動きが強まりつつある。SBSグループの3社同時認定も、こうした市場および業界の潮流を映すものといえる。
