株式会社サンカクキカク(福岡県久留米市)が展開する店舗型ふるさと納税(R)「ふるさとズ」は、2026年2月末時点でサービス開始以降の寄附受付総額が11億円を突破した。2024年に提供を始めた返礼品「オンラインクーポン」も、同時点で寄附受付総額が1億円を超えた。自治体や事業者の手続きや配送面の負担を抑えつつ、地場産品の利用を促す新たな仕組みとして広がっている。
「ふるさとズ」は店舗型ふるさと納税(R)を掲げ、ゴルフ場などの店や施設での導入を起点に対象業種を広げてきた。返礼品の一つとして、自社ECサイトで即時利用できる「オンラインクーポン」を用意し、寄附者がクーポンコードをすぐに受け取れる形式をとる。事業者側は自社ECで寄附に伴う利用を受け付ける運用とし、商品ごとの登録申請(SKU管理)を不要にすることで、事務負担の削減と導入ハードルの低減を図る。
50自治体・360店で導入
サービスの導入先は全国50自治体に広がり、ゴルフ場のほか、オーダースーツ・雑貨、飲食店、アパレル・家具ブランドなど多様な店や施設で活用されている。オンラインクーポン機能はアパレルや家具などを扱う全国27店舗のブランドやショップで導入され、店舗や施設での利用とオンラインで完結する利用体験が併存する形になっている。
運用設計では、デジタル返礼品としての位置づけが中核となる。自治体側は配送コストや梱包の在庫管理が不要となり、送料や資材費などの経費負担を抑えながら、地域事業者の自社ECへの送客と地場産品の消費拡大を後押しする。事業者側でも物理配送を前提とした作業から切り離し、寄附者への提供までの時間を短縮する仕組みを組み込んだ。
知財面では、制度運用の手順や自治体・事業者・寄附者の関係を整理したビジネスモデルについて、特許第7282417号として特許を取得した。「店舗型ふるさと納税」は同社の登録商標であり、特許と商標の両面からサービス設計を保護することで、他社サービスとの差別化とモデルの明確化を図る。
サービスは当初、ゴルフ場を中心に展開し、その後、オーダースーツや雑貨、飲食店、アパレル、家具ブランドへと対象を広げてきた。2024年から始めたオンラインクーポン機能では、寄附者がブランドのオンラインショップで利用できるクーポンコードを即時に受け取り、店舗や施設での対面利用と同一サービス内で並行して選べる構成とした。リアル店舗とオンラインの双方で返礼品を利用できる枠組みを通じ、自治体・事業者・寄附者の接点を整理している。
デジタル返礼品の活用は、自治体にとっては従来の配送型返礼品とは異なる業務フローをもたらす。梱包資材の確保や発送手配といった業務が発生しないため、担当職員の作業工程を分解しやすくなり、寄附受付から返礼完了までの処理を効率化しやすい。ふるさとズは、寄附者がオンラインでコードを受け取り、事業者の自社ECで利用することを前提とした点を特徴とし、デジタル返礼品の普及を通じてふるさと納税の運用負担軽減と地域事業者の販路拡大を両立させる狙いがある。
自社ECで即時利用
オンラインクーポンは、事業者の自社ECサイトで即時利用できる。寄附者はクーポンコードをすぐに受け取ることができ、受領から利用までの導線をオンライン上に集約した。事業者側は自社EC内で決済や顧客管理を完結できるため、ブランドイメージを保ちつつ、他社ECモールへの出店や個別商品の登録を前提としない運用が可能になる。SKUごとの登録申請を省くことで、返礼品登録や在庫管理にかかる労力を抑え、ふるさと納税への参入を後押しする構図だ。
オンラインクーポンは現在、アパレルや家具ブランドなど全国27店舗で利用でき、「ふるさとズ」全体では全国50自治体でサービスが導入されている。店頭や施設での返礼品利用とオンラインクーポンによるデジタル返礼品を同じ基盤上で提供することで、寄附受付総額11億円、うちオンラインクーポン1億円という実績につながっている。株式会社サンカクキカクは、店舗型ふるさと納税(R)を軸とし、自治体の事務負担軽減と地域事業者のEC活用を組み合わせた仕組みの拡大を進める。
