株式会社良品計画(東京都文京区)は18日、国産木材のみを用いた法人向けオフィス家具「ボードファニチャー T字脚」シリーズ5アイテムを「無印良品 法人向け空間商材サイト」で発売した。オフィスの温かみある空間づくりを支援する取り組みの一環で、分解や組み換えが容易な構造を採用している。
同社は、木材資源の循環利用を進める「素材を生かしたボードシリーズ」の新展開として、デスクやテーブル、シェルフ、ワゴン、ベンチなどをラインアップしたことが特徴だ。オフィス用として社内の強度試験を通過し、既存什器との調和を図るシンプルなデザインに仕上げた。働く環境の多様化に合わせ、法人市場を対象に据えた空間提案の拡充を狙う。
木材活用を軸に5アイテム展開
新製品は、いずれも国産木材を主要素材とする構成で、木材を余すことなく用いた板(ボード)をT字型の脚部に取り付ける仕組みだ。
ジョイント方式により、天板や脚部を好みの素材に変えることができるなど、組み替えの自由度が高い。
デスク、テーブル、シェルフ、ワゴン、ベンチの5種類を揃え、それぞれ複数サイズを用意した。
デスクには足元を隠せるパネルオプションがあり、テーブルやベンチはラウンジやカフェスペースへの配置を想定している。
シェルフは高さ2〜4段の3タイプで、事務収納用のボックスと合う寸法とした。
いずれも社内試験により耐久性を確認しており、分解・再構成が容易な構造を採ることで、人数や用途の変化に応じた継続使用を可能にしている。
ボードシリーズで資源循環に寄与
良品計画が展開する「素材を生かしたボードシリーズ」は、家具製造時に廃材となりやすい部位を工夫して利用し、木の質感を残した板材を活用する取り組みだ。
今回のT字脚シリーズもこの流れに位置づけられ、国産材の利用促進とアップサイクルを促す製品群とされている。
同シリーズは、板を素材単位で販売するほか、既存の無印良品製スチールロッカーや角パイプ什器と組み合わせる用途も想定している。
法人が持つ既存家具との共存を可能にすることで、オフィス空間全体の更新コストを抑えながら木質化を図る狙いがある。
無機質な事務空間に木の風合いを加え、経年変化を楽しめる点も特徴だ。
環境配慮型の空間需要が背景
同社は1980年のブランド創設以来、素材選定・工程見直し・包装簡略化を基本方針としており、今回の家具展開もその延長線上にある。
製造から使用までの全工程でリスクアセスメントを実施し、品質保証体制を維持していることから、法人市場でも一定の信頼を確保している。
また近年、オフィス設計では国産木材を取り入れた「内装木質化」が注目を集めており、企業の働き方改革や環境経営の文脈でも採用例が増えている。
恩加島木材工業などの建材メーカーも同様の需要に対応する製品を拡充しており、再生資源の位置づけが明確になりつつある。
市況面では木材価格変動リスクが残るが、国産材を中心に調達先を分散する動きが見られる。
持続的な法人提案モデル構築へ
良品計画では、これまでも法人向けの空間商材をオンラインで展開しており、2025年以降は建築・設計事務所などB2B取引の拡大を視野に入れる。
今回のT字脚シリーズは「素材を生かしたボードシリーズ」の派生品として初の完成家具群となる。
単一素材で構成するためリユースや修繕が容易で、長期利用を前提としたサステナブル製品群と位置づけられる。
同社は先行してウェブサイトを刷新し、事業・サステナビリティ情報の発信を強化した。
法人家具の展開は、その流れに沿った施策の一つでもある。
今後は、国産木材の活用促進とオフィスの木質化提案が、環境と働き方改革を両立させる具体的アプローチの一つとして定着するかが注目される。