リョービ<5851>は、2025年12月期の連結業績で売上高3,091億円(前期比5.4%増)、営業利益126億円(前期比33.4%増)となった。主力のダイカスト事業が増収増益となり、住建機器事業は黒字転換、印刷機器事業も増益となった。ダイカストの稼働回復と採算改善が、部品供給周辺の生産計画や調達の見通しにも影響し得る。
ダイカスト事業は自動車向けの生産量増加が寄与し、売上高2,743億円(前期比6.4%増)、営業利益112億円(前期比25.2%増)となった。アルミ価格上昇が売上高の押し上げ要因となった一方、増収により固定費増加を吸収して採算が改善した。リョービは自動車向けダイカスト、住建機器、印刷機器の3事業を展開し、製品設計から金型製作、量産までを一貫して手掛ける事業モデルをとる。
2025年は売上高3,091億円
売上高構成比では、2025年12月期にダイカスト事業が約9割を占め、収益の中核となった。住建機器事業は売上高108億円(前期比1.5%減)と減収だったが、営業利益は1億円と黒字転換した。印刷機器事業は売上高236億円(前期比1.9%減)と減収ながら、営業利益は13億円(前期比41.4%増)となった。
2026年12月期の会社計画は、売上高3,130億円(前期比1.3%増)、営業利益128億円(前期比1.1%増)と小幅な増益を見込む。事業別では、ダイカスト事業は国内で新規品の立ち上げが進むことで増収増益を見込み、住建機器事業も国内外で増収増益を想定する。印刷機器事業は減収減益の見通しで、全社利益の伸びを抑える要因になり得る。
印刷機器事業については、補助金を背景とした設備投資需要の一巡や中国景気の低迷によって伸び悩みが続くとの見方が示されている。このため、ダイカストと住建機器の改善が印刷機器の弱さをどこまで吸収できるかが焦点となる。
金型を各国拠点へ展開
リョービの事業モデルは、製品設計から金型製作、量産までを一貫して手掛ける点に特徴がある。本社で製作した金型を各国拠点へ展開し、品質を安定させていることが示されている。量産立ち上げ時の対応力や品質管理力が重要な強みになっているという。
市場環境では、自動車業界で燃費改善や電動化対応を背景に軽量化ニーズが高まっており、鉄部品をアルミ部品に置き換える動きが進んでいる。リョービは中期経営計画で軽量化や電動化に対応する戦略製品の拡大を掲げ、国内やタイで新規品の立ち上げが進んでいる。
利益面ではアルミ価格の高止まりが論点となり得る。価格転嫁は一定のルールに基づいて進めている一方、タイムラグが生じるため、原材料価格が上昇する局面では収益が圧迫されやすいとされる。足元では自動車向けの新規案件立ち上げが進み、数量効果が採算を下支えする構図が続くとの整理が示されている。
ギガキャスト投資を継続
中期経営計画「Challenge 2027」では、2027年12月期に売上高3,370億円、経常利益150億円、ROE7.0%を掲げる。成長の軸はダイカスト事業とし、軽量化・電動化に対応した戦略製品の拡大を進める方針を示している。大型部品の一体成形に対応するギガキャスト関連投資も進めている。
ギガキャストは現中計期間中の本格的な収益貢献を織り込まず、将来の成長余地を見据えた先行投資とされる。足元は既存事業の収益改善と新規品立ち上げを進め、将来は大型ダイカスト分野を次の成長ドライバーとして育てる考えが示されている。
株主還元では累進配当を採用し、2025年12月期は年間100円、2026年12月期は104円を予定する。総還元性向40%を目安としつつ、成長投資とのバランスを取る方針を示している。
