ロート製薬株式会社(大阪市)は、AIアプリと連携し過活動膀胱の症状管理を行う非侵襲型ウェアラブル医療機器で、中国市場に参入する方針を示した。ロートグループのメンソレータム社・アジアパシフィック(香港)を通じて展開し、2026年6月からの販売を予定する。日常生活の環境で慢性疾患をより簡便に管理できる形を目指す。
対象は、ニューロモジュレーション(神経調節)技術を活用し、膀胱機能の正常化をサポートするスマートパッチ型の医療機器だ。身体へ貼って使用し、スマートフォンアプリと連携して設定管理や使用状況の確認を可能にする。ロート製薬のグループ会社が販売元となり、製造元であるBeijing InnoStim Technology Co. Ltd.と連携して供給する狙いを示している。
2026年6月から販売予定
ロート製薬が示した販売エリアは中国(本土および香港)とマカオで、提供は2026年6月からを予定する。取り扱いはECに加え、医療機関・クリニック・介護施設などのメディカルチャネルを想定する。医療機器として、過活動膀胱(OAB)に伴う尿意切迫感、頻尿、夜間頻尿、尿失禁などの症状の軽減をサポートし、生活の質(QOL)の改善を目的とする。
利用者は足首の内側にスマートパッチを装着し、本体ユニットを取り付けて使用する設計とされる。自宅で約30分の治療を行えるとしており、通院負担の軽減につなげる方向性を示している。アプリ連携では、利用者が報告する症状データ(PRO:Patient Reported Outcomes)を収集し、治療の経過を継続的に把握する形をとる。
今回の中国市場参入は、ロート製薬が2023年に出資したハーバード・イノベーション・ラボ発のヘルステックベンチャー、Australis Scientific Pty Ltd.とのパートナーシップにより、アジア圏の販売権取得が結実したものとされる。ロート製薬は、ウェアラブル医療機器とデジタル技術を組み合わせた治療管理の枠組みを示している。
販売元は香港拠点で運営
販売元はメンソレータム社アジアパシフィック(香港)とされ、製造元はBeijing InnoStim Technology Co. Ltd.となる。ロート製薬は、Australis Scientific Pty Ltd.および製造元との基本的合意を2026年2月に締結したとしている。販売に向けた手続きとして、2025年12月に中国でNMPA Class II医療機器登録承認を取得した。
供給形態は、Pulse Generator(本体)とElectrode patches(スマートパッチ12枚入り)を含むセットの提示がある一方、商品名は商標登録中としている。提供先はECと医療機関・クリニック・介護施設等にまたがる形をとる。中国(本土および香港)、マカオを販売対象として掲げる。
過活動膀胱など排尿に関する悩みは年齢とともに増える傾向がある一方、相談しづらく受診や治療開始が遅れやすい特徴があるとする。症状が続くことで外出を控える、睡眠が妨げられるなど、生活の質に影響する場合もあると記載した。背景には、侵襲性の治療やケアの選択肢があっても、通院の負担や継続が難しく、十分なケアにつながりにくいケースが指摘されている点がある。
ロート製薬は、中国市場について、高齢化による排尿トラブルへの対処ニーズの高まりに加え、デジタルヘルス・ウェアラブル医療機器への関心の高さから在宅型医療ソリューションへのニーズが急拡大していると説明している。これを受け、中国での医療機器登録承認の取得や、パートナー企業・製造元との合意締結を進め、2026年6月の販売計画につなげた。
