ロート製薬株式会社(大阪市)が運営する「BÉLAIR LAB(ベレアラボ)」は、感性科学の知見を応用し、集中力や活力を高めることをうたう空間用フレグランスを開発した。公益財団法人横浜市スポーツ協会が開業する「YSA スポーツと医科学のジム 横浜関内」に導入し、スポーツと香りを組み合わせた新たな空間演出を図る。
対象は2026年春夏フレグランス「BLOOMING ENERGY(ブルーミング エナジー)」で、ベレアラボが研究を重ねたグリーンの香気構成成分「Restful Green(レストフルグリーン)」を核に、ゼラニウムやフレッシュジンジャーを配合した点が特徴となる。ロート製薬側が香りを設計し、横浜市スポーツ協会は、JR関内駅前の複合ビル「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」タワー8階に開業するジム施設に採り入れる。ベレアラボにとっては、これまでの香り研究・開発を土台にした空間向けビジネスの一環となる。
3月発売と施設導入
ブルーミング エナジーは3月13日から順次、公式オンラインストアやAmazon、楽天などのECと、株式会社そごう・西武が運営するメディア型OMOストア「CHOOSEBASE SHIBUYA」で販売する。香りは「YSA スポーツと医科学のジム 横浜関内」の館内に導入し、トレーニング時の環境づくりに活用する。
同ジムは、国内で初めてスポーツ協会が自ら開設するフィットネスジムとされ、クリニックを併設する。安全かつ効果的な運動プログラムの提供を掲げ、医学・スポーツ科学に基づいたメニュー展開を打ち出す。
施設は横浜市中区港町1-1-1の「BASEGATE横浜関内」タワー8階に入る。休館日は毎月第3木曜日(祝日の場合は翌日)とし、プレオープン期間(3月19~30日)は12:00~20:00とする。3月31日は休館とし、通常営業は平日7:00~22:00、土日祝7:00~20:00の運営体制をとる。
横浜市スポーツ協会は2029年に創立100周年を迎える予定で、長年の施設運営や運動指導のノウハウを集約する取り組みの一つとして同ジムを位置づける。開業日の3月19日には、オープニング記念イベント「ビジネスパーソンに求められる思考と体づくり」を開催し、工藤公康氏(元プロ野球選手・監督)と山﨑哲也医師(スポーツ整形外科医)が登壇する。会場はBASEGATE横浜関内タワー8階で、時間は19:00~20:30と設定している。
ロート製薬のベレアラボは、香りを軸にした研究開発を継続しており、プロサッカー選手の睡眠の質やパフォーマンス向上を狙った香り活用の取り組みや、eスポーツ選手を対象にした香りとコンディショニングに関する検証などを重ねてきた。空間向けの香りコレクションに加え、空気清浄機能付き送風式ポータブルアロマディフューザー「ラバロック ミニ アロマディフューザー」を展開し、企業向けの香り空間演出やオリジナルフレグランスの開発案件も手掛ける。
香りの設計では、フランス人マスター調香師のクリストフ・ロダミエルと共同で、サステナブルを掲げた開発も進めてきた。ロダミエルはトムフォードやラルフローレン、ビヨンセの香水のほか、五つ星ホテルの空間演出、グッゲンハイム美術館の「香りのオペラ」、映画「パフューム ある人殺しの物語」の調香演出などを手がけた経歴を持つ。国際的な調香ノウハウと、ベレアラボが蓄積してきた感性科学の知見を組み合わせ、スポーツ施設における香りの導入に結びつけた。
フィットネス産業では、設備やプログラムの高度化に加え、照明や音響、内装デザインを含めた空間体験の差別化が進んでいる。香りについても、運動時のモチベーション維持やリラックスを狙うアロマ活用が各地のスタジオやジムで取り入れられつつある。今回、スポーツ協会が開設主体となる「YSA スポーツと医科学のジム 横浜関内」が、医科学・スポーツ科学に基づくプログラムと連動させる形でロート製薬の機能性フレグランスを導入することで、公共性の高いスポーツ施設での空間演出のあり方にも一石を投じる構図となる。
開発と運営の役割分担
導入スキームは、ロート製薬がベレアラボを通じて香りを開発・供給し、横浜市スポーツ協会が自ら開設・運営するジムにおいて活用する形となる。フレグランスは集中力や活力の向上を意識した設計とし、スポーツと香りの融合による空間演出を打ち出す。
供給チャネルはECとリアル店舗「CHOOSEBASE SHIBUYA」を組み合わせ、一般消費者にも開かれた販売網を構成する。一方、導入先は横浜市スポーツ協会が運営主体を担う「BASEGATE横浜関内」タワー8階のジム施設であり、ベレアラボが「Restful Green」をコアとする香り設計を担い、施設側が館内環境として運用する役割分担となる。
ロート製薬にとっては、研究・開発した香りを空間ソリューションとして社会実装する取り組みが広がる。横浜市スポーツ協会にとっては、クリニック併設や医科学・スポーツ科学に基づくプログラム提供に加え、環境要素として香りを組み込むことで、ビジネスパーソンをはじめとする利用者の体験価値向上を狙う。
