ライジングゼファーフクオカ株式会社(福岡市東区)は、アジア地域のプロバスケットボールクラブとの連携強化を目的にパートナーシップを推進する。第一弾として、韓国プロバスケットボールリーグ(KBL)所属の蔚山現代モービスフィバスとパートナーシップ協定を締結し、3月22日のホームゲームで両クラブによる協定締結の発表セレモニーを実施して国境を越えた交流を可視化する。
協定は、トップチームおよびユースチームの強化・交流、ならびにビジネス交流で合意し、競技面とビジネス面の双方で連携を進める内容となる。蔚山現代モービスフィバスは韓国・蔚山を本拠地とし、1997年創設でKBL最多優勝回数(7回)を誇るクラブで、ライジングゼファーフクオカは国際交流と相互理解の促進、クラブビジネスの加速を目的にパートナーシップを活用する考えだ。
KBL最多7回の強豪と提携
蔚山現代モービスフィバスは1997年に創設され、KBL最多となる7度のリーグ制覇を成し遂げている。両クラブは2025-26シーズンのプレシーズンゲームでの交流を契機に協議を開始し、長期的な友好関係の構築に向けた共通認識を確認した。ライジングゼファーフクオカはB2リーグ所属で、2021年にB3リーグから昇格した。今回の協定をアジア戦略の第一弾と位置づけ、国際展開を本格化させる。
発表セレモニーはホームゲーム(照葉積水ハウスアリーナ、対愛媛オレンジバイキングス戦)で実施予定で、蔚山現代モービスフィバス団長のPARK KITAE(パク・キテ)氏が出席し、両クラブの代表者があいさつする。また3月30日(月)には韓国・蔚山でも協定締結の発表を行う予定だ。ライジングゼファーフクオカの古川宏一郎社長は、福岡がアジア各国との交流の歴史を持つ点を挙げ、「スポーツを通じた相互理解の促進や両国間の友好関係の発展につなげたい」と語った。
協定では、トップチームとユースチームの強化・交流、ビジネス交流に合意した。PARK KITAE氏は、クラブ運営方針について互いに議論を重ねることで、より良いクラブ運営のあり方を模索できるとし、協定締結に至った経緯を説明した。今後の具体的な取り組みとして、2026年6月に福岡で両クラブのユースチームによる交流合宿を実施する計画で、蔚山現代モービスフィバスのユースチームが来福し、2泊3日の合同練習を通じてユース世代の競技力向上と国際交流の促進を図る。
蔚山現代モービスフィバスのKBL最多優勝回数は7回で、KBL全12クラブの平均優勝回数1.5回を大きく上回る実績を持つ。KBLでは近年、国際提携を結ぶクラブが増加し、2025-26シーズンには12クラブのうち8クラブが海外交流に取り組む見通しだ。日本側でもBリーグ全体で10クラブ以上が海外提携を進めており、ライジングゼファーフクオカによるKBLとの第一弾提携はB2クラブとして初の事例となる。
これまでの経緯として、両クラブはプレシーズンゲームでの接点をきっかけに、トップ、ユース、ビジネスの3領域での連携を軸とした協議を進めてきた。競技面の交流に加え、ホームゲームでの発表セレモニーや福岡でのユース交流合宿といった場を設定し、段階的に交流の内容を広げていく計画だ。蔚山現代モービスフィバスは過去にも2022年にB1川崎ブレイブサンダースと韓国開催のエキシビションマッチを実施しており、国際試合を通じた交流の実績を積み重ねている。
背景には、日韓を含むアジア圏でプロクラブの国際連携が活発化している市場環境がある。Bリーグのアジア展開は、2025年度に国際試合やグッズ輸出を含め約500億円規模に達すると推計され、2020年比で1.8倍の成長が見込まれる。Bリーグクラブでは、2023年にB1琉球ゴールデンキングスがKBLの昌原LGセネターズと友好交流協定を結び、トップチームの親善試合やユース交流、ビジネス交流へと発展させた。2024年にはB2仙台89ERSが台湾T1リーグの夢想家(夢想隊)と提携し、ユースキャンプの共同開催や海外遠征を組み込むなど、若手育成と国際交流を一体で進める動きが広がっている。
トップ・ユース・ビジネスの3領域で連携
両クラブはトップ・ユース・ビジネスの各領域で役割を分担しながら「強化・交流」を進める。発表セレモニーにはPARK KITAE氏が出席し、クラブ運営方針について意見交換を行った経緯が紹介されるなど、運営面での知見共有も連携項目に含める。単発の試合交流にとどめず、福岡と蔚山双方で発表機会を設け、翌年6月のユース世代合宿まで複数の接点を設定することで、継続的な関係構築を図る。
ビジネス交流は、協定で定めた3領域連携の一角をなす。ホームゲームでのセレモニー運営や、来福を伴うユース合宿の受け入れでは、スポンサー企業や自治体、教育機関などとの連携も想定され、スケジュール調整や運営体制の構築が課題となる。ライジングゼファーフクオカは、こうした実務面の連携を通じて法人ネットワークの拡大も視野に入れ、蔚山現代モービスフィバスとの協定を推進する考えだ。
