NPO法人輪母ネットワーク(大阪市生野区)は、大阪市から認定NPO法人として認定された。2006年の発足以降、障害のある子どもを地域で育てることを掲げて活動を続け、コロナ禍には独自のコミュニティハウスを開設、2022年の法人化を経て認定取得に至った。寄付を軸とした運営により、家族の孤立を防ぐ場の運営を続ける方針だ。
輪母ネットワークは、障害の種別を問わず家族が支え合うことを目的に活動してきた。対面交流が制限されたコロナ禍には、家族の孤立を防ぐために「わははハウス」をオープンした。わははハウスを地域に根差した拠点として安定的に運営する必要から2022年にNPO法人化し、法人化4期目で活動の透明性や市民からの支持が評価され、認定NPO法人となった。
認定NPOは約500団体
大阪市の認定は、法人化から4期目という比較的早いタイミングでの取得となった。2026年3月5日付で大阪市の認定NPO法人を取得し、寄付金控除の対象となる制度の下で活動することになる。内閣府のNPO関連統計では、認定NPO法人は2023年末時点で全国約500団体にとどまっており、取得団体が限られる制度となっている。
運営面では、行政からの受託事業をあえて持たず、市民からの寄付によって活動する「完全非営利・寄付型」を掲げる。大阪市の認定制度は、活動実績3年以上や財務情報の公開に加え、市民からの支持を示す指標として寄付比率25%以上などの基準を設けている。輪母ネットワークは、家族がふらりと立ち寄り仲間と出会える場を維持し、地域住民や他団体との連携を通じて人と人をつなぐ役割を担うことを重視する。
「行政からの受託事業をあえて持たない」という運営スタイルを掲げ、制度を利用する「支援する側・される側」という上下関係を生み出さず、対等な「家族」として手を取り合うことを目指す。活動の場となるわははハウスは、家族が集まる場所であると同時に、地域住民や他団体と連携し、障害の有無を超えて人をつなぐ地域拠点として機能している。
輪母ネットワークは、特定の解決策を一方的に示すのではなく、情報を提供しながら当事者の横に居続ける姿勢を打ち出す。行政のルールやサービス提供という枠に縛られず、寄付による運営を通じて、一当事者として同じ目線で語り合える場を維持する考えだ。寄付キャンペーンは2026年4月から開始し、詳細は公式サイトなどで告知する。
取り組みの対象となる当事者層は大きい。公的統計では、障害児のいる世帯は全国で約100万世帯(発達障害などを含む、2022年)とされる。コロナ禍では、障害児家族のメンタル不調率が30%以上上昇したとする調査もあり、対面交流が制限される局面で、地域の居場所やコミュニティハウスの必要性が指摘されてきた。輪母ネットワークがコロナ禍にわははハウスを開設した経緯は、こうした環境変化と重なる。
受託なし寄付運営を継続
今回の認定取得に至るまで、輪母ネットワークは障害のある子どもの家族が支え合う活動を積み重ね、コロナ禍には家族の孤立を防ぐための拠点として「わははハウス」を立ち上げた。その後、拠点を地域に根差した場所として安定的に運営するため2022年にNPO法人化し、活動の透明性と市民からの支持が評価され認定NPO法人となった。所在地は大阪市生野区勝山北5-11-18-1F。
運営方針として行政受託を持たず、寄付による運営を軸に据えてきた点が特徴となる。大阪市の認定基準には、市民からの支持を示す寄付比率などの要件が含まれており、寄付を基盤にした運営と制度面の枠組みが結び付く形だ。輪母ネットワークは、制度の枠組みに依拠してサービスを提供するのではなく、徹底したピア(仲間)としての対等性を重んじ、情報提供と居場所の維持を重ねる方針を示している。
今後は、わははハウスを一時的な取り組みにとどめず、地域に根差した常設の拠点として運営を継続する。資金調達は寄付を中核とし、2026年4月からの寄付キャンペーンを起点に、認定NPO法人としての税制優遇を生かしながら、地域の家族と支援者による資金循環の仕組みを構築していく考えだ。
