株式会社リムズキャピタル(東京都千代田区)は、不動産クラウドファンディング「BATSUNAGU(バツナグ)」を通じて、妙高・野尻湖エリアで築40年以上のホテルを再生するプロジェクトを進めている。再生対象のホテルは2026年3月1日にプレオープンを予定しており、同社が運営中のファンド「野尻湖ホテルリノベーションファンド」により資金を組成している。
この取り組みは、地方の老朽化した観光施設を再生し、観光資源の再活用を図るもの。BATSUNAGUは、株式会社リムズキャピタルが手掛ける不動産特定共同事業を活用した資金運用プラットフォームで、個人投資家が少額から参加可能な仕組みをとる。リムズキャピタルは、同事業を通じて地域再生型不動産投資を強化する方向性を示している。
BATSUNAGUで築40年超ホテル再生
同社が推進する「野尻湖ホテルリノベーションファンド」は、BATSUNAGUの組成ファンドの一つで、築40年以上経過した宿泊施設の再生を対象としている。BATSUNAGUは2021年にスタートし、これまでに30件超のファンドを立ち上げてきた。最低投資額を1万円に設定し、個人が都市圏外プロジェクトへ参加できる形を採用している。
運用会社リムズキャピタルは2016年設立。不動産開発やリノベーション再販事業を手掛けており、グループで施工会社も併せ持つ。今回のファンドも、同社が取得・改修を行い、運用利益を出資者に分配する構造を採っている。
妙高・野尻湖で再生事業を展開
リムズキャピタルによる今回のホテル再生は、観光地として知られる妙高・野尻湖エリアにおける古い観光施設の活用を軸とする。不動産特定共同事業の仕組みを通じ、個人投資資金を地域の宿泊施設改修に充てる形で、再生後は宿泊業として運用する計画を示している。
背景には、国土交通省が所管する不動産特定共同事業法の改正により、小規模事業者やベンチャー系のクラウドファンディング事業者にも参加が広がったことがある。リムズキャピタルは、2024年3月に第1号・第2号事業の免許を取得しており、より自由度の高いファンド設計が可能になった。
再販・改修型事業をクラウド運用
リムズキャピタルの不動産クラウドファンディング事業では、開発から販売、運用まで同社グループ内で一貫して行える体制を敷く。今回のホテル再生も同様の枠組みに基づき、取得・改修・再運用の全工程を一体化して進めている。建築・施工を担う関係会社が改修を実施し、投資家との契約部分はリムズキャピタルが不動産特定共同事業者として担っている。
リムズキャピタルは、ホテル再生を含む不動産クラウドファンディングを地域再生型事業として展開しており、複数エリアで同様の再生型ファンドを組成してきた。今回の妙高・野尻湖案件は、地方観光資源活用型プロジェクトの一環にあたる。
不動産クラウドファンディング分野では、国交省による情報開示拡充策が進んでおり、投資家保護と地域活性の両立が焦点となっている。リムズキャピタルの取り組みも、こうした制度環境の中で、老朽ホテル等の再生に資金を循環させる事例と位置づけられる。