組織行動科学(R)を提供するリクエスト株式会社(東京都新宿区、代表取締役:甲畑智康)は、「判断経験設計プロジェクトベースドラーニング」の提供を開始した。顧客接点やストック改修など変革が求められる領域のリーダーが、実務に判断経験を組み込み、実践と振り返りでメンバーの判断力を育てる実践型プログラムとし、組織全体の判断処理能力を高める狙いを掲げる。
同社は、企業内で効率化と標準化が進展した結果、仕事から判断経験が減少している点を課題とみる。AIでも前例でもマニュアルでも対応しにくい領域が残るとの問題意識の下、状況ごとに判断が求められる仕事を担うリーダーが判断経験を意図的に設計し、実務を学習の場に変える取り組みの一つに位置づける。
判断経験減少の分析
リクエストは、企業で仕事の中の判断経験が減少していると整理する。企業内では、仕事が「状況ごとに考える仕事」から「前例を適用する仕事」へと変化したとみている。判断を巡る能力は、商品知識やプレゼン、システム操作、業務手順のように「知識→説明→再現」で伝えられるものとは異なるとの見方だ。
判断は、何を優先するか、どのリスクを取るか、どの価値を重視するか、どのタイミングで決めるかを状況ごとに定める行為だと定義する。唯一の正解が存在しないため、知識として一方向的に教えることが難しい能力とみなす。同社は、判断力が「経験→振り返り→修正→判断精度向上」のプロセスで形成されるとし、経験を通じて育つ能力だと整理している。
管理職が直面する状況としては、顧客対応やプロジェクトで状況が変わるたびに担当者が判断に迷うこと、若手に仕事を任せたいが判断経験が少なく任せきれないこと、マニュアルで対応できない案件が増えていることなどを挙げる。こうした現場の迷いや停滞が、リーダー層の育成や業務の進行に影響しうる論点となっている。
今回のプログラムは、こうした課題認識を踏まえ、現場業務の設計そのものに判断経験を埋め込むことを掲げる。研修で知識を補うだけでなく、実務の中で判断する場面を意図的につくり、振り返りを通じて修正する循環を回す設計を柱とする。
実務で判断経験を設計
「判断経験設計プロジェクトベースドラーニング」は、顧客接点やストック改修など状況ごとに判断が求められる仕事を担うリーダーを中心に、実務の中に判断経験を意図的に組み込むプログラムだ。実践と振り返りを通じてメンバーの判断力を育て、組織全体の判断処理能力を高めることを目的とする。
進め方として、判断が必要な仕事の整理、判断が止まる構造の診断、経験すべき判断の設計、実務プロジェクトでの実践という流れを提示した。単なる研修ではなく、現場の仕事そのものを学習の場に変える点を打ち出す。判断の局面を「現場で起きた出来事の後追い」ではなく、あらかじめ設計対象として扱うことで、日々の案件処理と育成の動線を重ねる設計とした。
適用を想定する企業像としては、顧客ごとに対応が変わるビジネス、案件ごとに状況が変わるプロジェクト型業務、顧客接点での判断が重要な企業、ストック型ビジネス(継続顧客・保守・改修など)、マニュアルでは対応できない仕事が多い企業を挙げる。いずれも、一定の標準化が進んだ後も例外処理や個別対応が残りやすい領域で、担当者の迷いが積み上がりやすい局面を含む。
同社は「判断経験を意図的に設計する」点を特徴とする。判断が必要な場面を業務から抽出し、実務プロジェクトの中で経験させ、振り返りで修正するという流れを明確にすることで、教育の場を会議室から現場へ移す設計思想を示した。
過去から現在の連続性という点では、「効率化と標準化の進展により仕事から判断経験が減少している」という問題意識が今回の提供開始の起点になった。業務が前例適用へと寄るほど、個々の担当者が状況に応じて決める経験が相対的に減り、判断の担い手が限られるとの見立てがある。このため、リーダーが判断経験を設計し、実務の中で育成へ結びつける筋立てを取った。
外部環境に関しては、33.8万人・980社の調査レポート分析に基づき、管理職の判断機会の減少を課題として提示する。判断経験の不足が企業内の広い範囲で生じているとの捉え方を強めており、AIや前例、マニュアルだけでは処理しにくい案件が残存する中で、現場で判断を要する仕事の設計が経営課題として浮上している状況を映す。
運用面では、顧客接点やストック改修などの領域を担うリーダーが、実務内での実践と振り返りをどの範囲で組み込むかが焦点となる。判断が必要な仕事の整理から診断、設計、実務プロジェクトでの実践へと進める流れを示し、現場の業務進行と並行して学習の場を組み立てる形を想定している。
取引管理や法人営業の観点では、提供対象が顧客接点やストック改修などのリーダー層に置かれていることから、導入時には対象業務の切り分けや、実務プロジェクト内での実践と振り返りの組み込み範囲を関係部門間でそろえる運用が課題となりそうだ。リクエストは、実務を学習の場に変える取り組みの一つとして本プログラムを打ち出した。
