REHATCH株式会社(東京都千代田区)は、同社のマーケティングAI OS「ENSOR(エンソー)」に、AIエージェント拡張パッケージ「Skills」と、ユーザー自身でスキルを開発できる「My Skills」を搭載した。本機能は、マーケティング特化AIエージェントにおけるSkills機能の搭載として業界初とする。これにより、クリエイティブ制作や分析の作業を1コマンドで進める運用を通じ、マーケターが戦略業務に割く時間の確保につなげる狙いがある。
今回のSkills機能は、専門家レベルの業界知識や分析手法、制作ノウハウを外付けの拡張パッケージとしてAIエージェントに追加し、必要に応じて1コマンドで起動できる仕組みだ。ユーザーがスキルを呼び出すと、AIエージェントが知見を活用し、クリエイティブの企画・制作・分析を一貫して実行する設計という。リリースでは、ユーザーが任意のタイミングでスキルを呼び出す「User Skill」の提供を開始し、会話の文脈を読み取って自律的に選択・実行する「Agentic Skill」は次回リリースでの搭載を予定している。
100社超の運用知見
REHATCH株式会社は、公式拡張パッケージ「ENSOR Skills(公式)」を、100社以上の広告運用で培ったノウハウを体系化したものと説明する。ユーザー側で開発する「My Skills」では、自社固有のトンマナや社内ルール、クライアント業界の専門知識などをスキルとして追加できるとしている。
具体例として、My Skillsにブランドカラーやフォント選定、訴求トーンなどを登録したうえで、1回の指示で5〜10枚のバナーバリエーションを同時生成する使い方を挙げた。提供予定スキルの一例では、「市場・競合調査AI」がPEST分析から3C/4C構成、競合ランドスケープ、コミュニケーション戦略までの構造化レポートを自動生成する機能を含むとしている。
同社は、生成AIの導入が進む広告クリエイティブ制作の現場で、「自社らしさ」や「日本市場特有の表現」の再現、業界知識やトンマナの指示の繰り返し、分析や戦略立案における知見の担保、スピードと量の両立といった課題が残ると説明する。広告運用ではABテストや複数媒体への展開、季節やキャンペーンに合わせた更新などで制作業務が増える一方、デザイナーリソースには限りがあるという。
背景には、AIが「作業はできるが、専門的な判断ができない」という課題があるとする。REHATCH株式会社は従来、動画生成やLP生成、ブランドチェック、テンプレートなどの機能を提供してきたが、Skills機能の搭載により「プロの判断力を1コマンドで呼び出せるようにした」としている。
Agent Skillsの採用
技術的背景として、2025年12月にAI開発企業Anthropic社が、AIエージェントの能力拡張に関する共通規格「Agent Skills」をオープン標準として発表した点を挙げる。専門知識や業務手順を“スキル”としてパッケージ化し、必要に応じて追加・起動できる仕組みで、AtlassianやFigma、Canva、Stripeといったグローバル企業が対応スキルの開発を進めているという。REHATCH株式会社は、ENSORでSkillsの概念をマーケティングAI領域で採用し、広告クリエイティブ制作・運用分析・戦略立案に最適化した独自のSkills機能として実装したとしている。
連携・運用面では、ユーザーが任意のタイミングでスキルを呼び出す「User Skill」を提供開始した。次回リリースで予定する「Agentic Skill」や、複数のスキルを掛け合わせる「スキルの連鎖」、ユーザー同士がスキルを共有できるスキルマーケットプレイスは、いずれも予定・視野として示されており、正式なラインナップはリリース時に確定するとしている。
