レイズネクスト株式会社(神奈川県横浜市)は、日揮ホールディングス株式会社がオーナーとなる福島県浪江町の実証プラントで、グリーンアンモニア製造技術実証を担う建設工事をEPC(一括設計・調達・建設)契約により担当した。2026年1月上旬に製造を開始したもので、同社にとってグリーンアンモニア製造プラントの建設は初の実績となる。プラントは日揮HDが進める「大規模アルカリ水電解水素製造システムの開発およびグリーンケミカルプラントの実証」プロジェクトの一環として建設された。
この取り組みは、再生可能エネルギー由来の水素を原料とするアンモニア製造技術の実証を目的にしている。レイズネクストは2023年2月に契約を締結し、日揮HDの基本設計に基づいて詳細設計、資機材の調達、現地工事を実施し、2025年11月に建設を完了した。これまで石油・石油化学分野などで培った設計・施工技術を適用した提案型EPC体制をとり、エネルギー転換や脱炭素を背景に広がる設備需要に対応する形だ。
福島浪江に実証プラント、日量4トンの能力
日揮HDによると、実証プラントは浪江町棚塩産業団地内に位置し、再生可能エネルギー由来の水素を利用して日量4トンのアンモニアを製造する能力を持つ。期間は2022年度下期から2026年度末までと設定されている。水素は近隣の福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)から供給される仕組みとなっており、同設備は国家事業「グリーンイノベーション基金」に基づく共同実証プロジェクトの一部を構成する。
レイズネクストは、グリーンアンモニア製造設備の基盤となる構造物・配管・電気計装系などの建設を一括して手掛けた。プラントは用地造成から設計・施工に至る全工程を新規に行うグラスルーツ仕様で、これにより実証データの収集基盤を整えた格好となる。
EPC一括体制で新分野に対応
実証プロジェクトの建設業務では、レイズネクストがEPCを担当し、日揮HDが基本設計およびオーナー業務を担う役割分担とされた。レイズネクストは詳細設計から調達、施工までを一貫して請け負う形で、従来培った設備設計標準と技術ルールをグリーン領域に適用した。これにより、従来の化学プラント建設事業で蓄積した知見をエネルギー転換領域に展開している。
建設を終えた段階で、同社のEPC業務としての契約範囲は完了している。
再生可能エネルギー由来の水素供給部分については、旭化成が福島水素エネルギー研究フィールドで製造する水素を用いている。日揮HDと旭化成による共同採択プロジェクトのうち、レイズネクストは建設遂行を担う位置づけで参加した。
今回のプロジェクトは、グリーンアンモニア製造技術実証の第一段階を成す位置づけにあり、日揮HDや旭化成が進める統合制御システムやプラント運転実証と並行して進められている。2026年度末までの実証期間を経て、技術検証結果を踏まえた検討が想定されるが、その後の商用化に関する明示は現段階ではない。
レイズネクストが今回EPC一括工事を完了したことにより、エネルギー転換や脱炭素関連設備における同社の参画分野が拡大した形となる。
