クオリティソフト株式会社(和歌山県白浜町)は、クラウド型IT資産管理サービス「ISM CloudOne」の新バージョン(Ver.7.10i)をリリースした。今回の更新では、生成AIを活用したチャットボット「スマートヘルプ」を新たに搭載し、製品マニュアルをもとに即時回答を生成できるようになった。さらに、Windows Feature Update(FU)のバージョン制御機能も加わり、企業のIT管理に関わる業務負担を軽減する構成を取っている。
IT資産の多様化とサイバー攻撃の高度化が進むなか、同社は、情報システム(情シス)部門の管理負荷を軽減することを目的に、クラウド管理基盤「ISM CloudOne」の改良を進めている。生成AIによる自動応答機能は、製品知識の検索効率を高める意図で導入されたもので、同バージョンではWindows更新管理でも検証手順に基づく段階的配信を可能にした。これらの機能強化は、同社が長年取り組むセキュリティ支援事業における運用支援型サービスの一環と位置づけられている。
ISM CloudOneが90,000社で導入
ISM CloudOneは現在、導入実績が90,000社を超え、55ヵ国以上で利用されている。PCやスマートデバイスを対象に、ハードウェア管理や脆弱性診断、ログ収集などを統合した形で提供しており、多様な業種の端末運用を支えている。今回の新機能は、既存のクラウド基盤に追加される常設のバージョンアップとして実装された。
ISM CloudOneの国内市場シェアは高水準を維持しており、QNDシリーズなどを通じた端末運用管理支援を手がけてきた経緯がある。生成AI搭載機能はベータ版での提供から段階的導入を進める形を採っている。
同社は1984年に設立され、和歌山・東京・仙台・松本などに拠点を持つ。グループ企業にはクラウド基盤を専門とするQuality Cloud株式会社があり、システム構築や分散処理技術を通じたクラウド運用支援を担っている。
ISM CloudOneを中心としたクラウド管理事業では、クオリティソフトが開発・提供を担い、運用サポートを含む自社主導の体制で展開している。製品のアップデート提供は継続的に実施され、今回の追加機能も同一プラットフォーム上で展開される形となった。
AIによる運用支援体制と制御機能の拡張方針
生成AIによるチャットボットは、製品マニュアル上の情報を即時抽出し、操作内容や設定項目への回答を提示する設計とされている。AIが回答の基盤とするデータは同社が提供するマニュアル群の内容に基づいており、管理者が知識を効率的に参照できる構成を示している。
Windows FUのバージョン制御機能は、企業内の検証プロセスに合わせて更新バージョンを固定する仕組みを採り、既存ネットワーク負荷の軽減と段階的な更新配信を組み合わせて運用する方針だ。再販や販売期間の指定は設けられておらず、常設機能として提供される。
これらの更新機能の提供主体はクオリティソフトであり、AI機能のベータ版導入告知を通じて顧客企業への案内を順次進める構えをとっている。生成AIの横展開や自動設定支援などは、今後の開発検討事項として同社が明示しているが、現時点で具体的な実装時期や対象範囲は示されていない。
ISM CloudOneは従来より、AXSEED社のモバイル管理サービス「SPPM3.0」との連携を実施しており、スマートフォンを含む広範な端末管理にも対応できる体制を整えている。これにより、今回の機能拡張は既存のマルチデバイス管理基盤と整合的に機能する構造を採っている。
クオリティソフトはAI技術を事業横断的に活用する方針を示しており、この取り組みを通じてソフトウェア運用の標準化を進めている。IT資産管理領域では、運用効率とガバナンス対応を両立するための制御機能を中心に機能拡張を続ける姿勢を明らかにしている。