PwCビジネスアシュアランス合同会社は18日、2027年4月1日以降に強制運用が始まる新リース基準への対応を支援する「新リース基準スピード導入キット」を31日から提供開始すると発表した。新リース基準の導入支援実績で得た知見を盛り込み、1年以内での対応を可能にするという。これにより、新基準対応の作業負荷を抑えつつ、導入の時間短縮につなげる狙いがある。
新リース基準スピード導入キットは、必要な機能を標準化し、信頼性と効率性を両立したツールとする点を特徴とする。表計算ツールを利用し、新たにシステムを導入することなく作業を進める形をとる。PwCビジネスアシュアランス合同会社は、2027年4月の強制適用開始までに企業側の対応をスピード支援する目的を掲げ、本体企業に加え子会社などでも導入可能な選択肢とする考えを示している。
強制適用は2027年4月
新リース会計基準は、企業会計基準委員会(ASBJ)が2024年9月13日に公表した「企業会計基準第34号 リースに関する会計基準」と「企業会計基準適用指針第33号 リースに関する会計基準の適用指針」に基づく。強制適用は、2027年4月1日以降に開始する事業年度の期首からとなる。PwCビジネスアシュアランス合同会社は、最低でも20社への導入を目指して展開するとしている。
PwCビジネスアシュアランス合同会社 PwC Japan有限責任監査法人の服部雄介パートナーは、ほかの基準に比べ長めの準備期間が設けられた理由として、検討すべき契約の量が多く作業が容易ではない点を挙げた。契約ごとに検討を行い、会計ファームなどに判断の妥当性を相談するなど作業量が多いことも、準備期間を長くとった要因の一つになるという。
同パートナーは、現時点でも準備を始めていない企業が多いとの認識も示した。外資系の会計システムの対応が遅いケースや、親会社の対応を待っていた子会社が自社での対応を求められ困惑するケースなどがあり、新基準スタートまで1年となるタイミングで相談が増えているという。
表計算で導入支援を設計
キットは短期間での導入を意識し、「新リース基準を理解しよう」というキックオフ資料から始める。リース管理台帳で形式リース取引を把握し、実質リース検討ツールで実質リース取引を洗い出す。少額リース・短期リースの特定も含め、進めるべき作業を明確にしたタイムラインを設ける。
説明によると、6カ月間に完了すべきことや9カ月以内に完了すべきことなど、期限ごとの作業をまとめたとされる。キックオフ資料はプロジェクト全体像の理解に必要な事項に絞り、経理部や契約所管部署が対応すべき事項を一覧化した。タスクの順番、担当、使用ツールの流れが把握できる内容とする。
PwC Japanの吉澤太朗ディレクターは、新たにシステムを導入しない点を大きな特徴に挙げた。システム導入では導入だけで半年程度かかる場合がある一方、大手企業の子会社では予算や期間の制約からシステム導入が難しいとの問い合わせがあったという。こうした事情を踏まえ、表計算を利用するキットを開発したとしている。
リース契約の内容が途中で変更されるケースもあることから、変更が生じた場合にも対応する機能を備える。変更があっても、表計算を使って作業を完結できる形をとる。
監査法人などでレビューを受ける場面を想定し、新旧基準で何が変わるかを論点ごとに一覧化したうえで、想定される検討結果をあらかじめ記載する仕様も盛り込む。PwC Japanの山本晋シニアマネージャーは、そこからパターンを選び必要な点を補足する形で対応できるとしており、実務で迷いやすい論点は整理例と根拠条文を示しながらQ&A形式で解説すると述べた。
服部パートナーは、店舗運営企業など多数のリース契約を締結する企業がある点に触れつつ、特定の業種に限らず多くの業種で利用できる内容と説明した。企業規模についても、規模の小さい企業でも利用しやすい内容を特徴に挙げた。導入にあたっては、適用開始まで1年となる時期からの対応も可能とされる。
