パンチ工業株式会社(東京都品川区)は、株式会社ミスミグループ本社のミスミ東日本流通センター(神奈川県川崎市)で物流業務の委託を開始した。2024年10月に締結した資本業務提携契約に基づく取り組みで、2026年1月末に実証事業を完了した。共同運営により倉庫内の自動化を進め、作業効率の向上を実現した。今後は両社が連携し、安定的な商品供給体制の強化を図る。
今回の協業は、パンチ工業、ミスミグループ、SBS即配サポート株式会社の3社による「ものづくりBtoB事業_共同在庫管理/輸配送プロジェクト」として実施された。経済産業省の「持続可能な物流を支える物流効率化実証事業(物流効率化に資する連携実証事業)」にも採択されている。パンチ工業にとっては、金属加工・機械部品産業における物流課題の解消をめざす取り組みの一環となる。
月216台分削減、共同物流で作業効率向上
ミスミ東日本流通センターへの拠点統合により、パンチ工業は従来の「東京ロジスティクスセンター」(横浜市神奈川区)を閉鎖した。両社の物量を集約した結果、トラックの荷待ち・荷役時間を月間110時間短縮し、10トントラック216台分の来訪台数を削減した。倉庫内では棚搬送ロボットや自動計数ピッキングカートを導入し、自動化による効率化を進めている。
ミスミグループは3,000万点以上の商品を扱い、32.3万社の顧客に対応する物流基盤を有する。2025年には公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会が選出する「2025年度物流改善賞」で最優秀物流改善賞(物流業務部門)を受賞した。これを通じ、外部企業向け3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)サービスの提供を初めて本格化させた。
両社は在庫品の共同購買や商品の相互供給などでスケールメリットの活用を進める方針を示している。パンチ工業の精密加工技術とミスミのデジタル物流基盤を組み合わせることで、業務の効率化を狙う。
資本提携を背景に物流再編を加速
2024年10月に締結された資本業務提携契約を起点に、両社は金属加工・機械部品分野での成長を目的とする協業を進めてきた。パンチ工業は精密金型部品や特注機械部品を製造し、国内外の製造業を顧客に持つ。ミスミグループは標準部品を中心とするグローバル供給網を運営し、短納期物流のノウハウを蓄積している。
背景には、輸送力不足や物流コストの上昇など「物流の2024年問題」に関連する業界構造の変化がある。両社は共同拠点化により、こうした環境変化に対応する狙いを示している。
3社体制で運用、再販や数量限定の明示なし
物流協業はパンチ工業、ミスミグループ、SBS即配サポートの3社で推進されている。パンチ工業が物流業務を委託し、ミスミグループが3PLサービスを提供する形をとる。SBS即配サポートは輸配送を担い、共同在庫管理を支援する役割を担っている。数量限定や再販の予定は明示されていない。
取り扱いはミスミ東日本流通センターに集約され、従来の自社拠点運営から共同運営への移行が進められた。これにより、単発ではなく継続的な運用を前提とした仕組みを構築している。
現段階では次期展開に関する具体的計画の公表はないが、今回の拠点統合は資本業務提携後初の大型施策として位置づけられている。
パンチ工業とミスミグループの共同物流体制は、労働力不足下での運用効率化を目的とする官民連携事業の成果として、サプライチェーン全体の見直しに実証的な効果を示した形だ。