プロメシアン株式会社(東京都港区)は、日本政策金融公庫から3,000万円の融資を受けた。資金を活用し、アディティブ・マニュファクチャリング(AM)技術を用いた金属部品補修工場の開設や品質保証体制の構築を本格化する。無収益でも6か月稼働可能な運転資金を確保し、成長投資フェーズへ移行する。
プロメシアンはAM技術を活用した金属部品補修および品質保証を手がける。今回の融資を原資に、AM補修工場の開設に加え、製造設備および検査設備の導入、工場運営に必要な運転資金の確保を進める。品質保証体制の構築では国際認証の取得を視野に入れており、補修と検査を一体で提供できる体制を整える。古賀洋一郎代表は、工場開設と品質保証体制の構築を成長投資の中核に位置づける考えを示している。
必要資金の約90%確保
資金調達の規模は約3,000万円で、必要資金に対して約90%を確保した。資金計画では、既存事業および新規事業の売上が一時的に停止した場合でも、約6か月間の事業継続が可能な運転資金水準を見込む。資金は工場の設備導入と運営に必要な運転資金を組み合わせて配分し、設備の立ち上げと人材採用、組織体制の強化を同時並行で進める計画だ。
外部環境としては、2025年度末の日本政策金融公庫の融資残高は約100兆円規模とされる一方、金利上昇局面で審査は厳格化しているとされる。こうした中でも中小製造業向けの設備投資融資は前年比10%増とされ、設備投資を伴う事業拡大案件への資金供給は続いている。プロメシアンは、金利上昇により融資環境が厳しくなりつつある中でも、良好な条件で資金を調達できたとしている。
融資実行の背景としては、2025年度における毎月黒字の達成による安定した収益基盤、継続的なキャッシュフローに基づく返済能力、2026年度以降の売上計画における投資回収の見通し、工場開設に伴う雇用創出の可能性などが評価されたとみられる。補修工程の実装と品質保証の整備を同時に進め、工場運営に必要な運転資金まで含めた資金使途を明確化した点が特徴だ。
プロメシアンは2025年8月5日設立で、本社は東京都港区に置く。事業基盤の構築を進める中で、AM技術を活用した補修事業の高度化と産業実装を目指してきた。今回の融資は、その取り組みを工場という形で具現化する段階に充てるもので、製造設備・検査設備の導入を含めた立ち上げに振り向ける。
市場環境では、経済産業省「製造業白書2025」で、国内のAM(3Dプリンティング)市場規模が2025年に約1,500億円と試算されており、補修用途が全体の25%を占めるとされる。金属部品分野は年20%の成長率とされ、設備投資や品質保証の整備が課題となりやすい領域だ。加えて、2026年度計画の政府補助金(ものづくり補助金)ではAM導入企業を対象に上限1億円が示され、製造業のAM導入を後押しする制度面の動きも出ている。
公庫融資で工場投資
今回の取り組みは、日本政策金融公庫からの融資を資金原資とし、工場の設備導入と運営に必要な運転資金を確保する形をとる。用途はAM補修工場の開設、製造設備および検査設備の導入、工場運営の運転資金で、品質保証体制の構築では国際認証取得を念頭に置く。
社内では、設備導入と立ち上げ、品質保証体制の構築、人材採用と組織体制の強化を進める計画を掲げる。融資決定の評価要因として示す「毎月黒字」「継続的なキャッシュフロー」「雇用創出の可能性」は、工場開設に伴う固定費や運転資金の確保と整合する要素と位置づけており、無収益でも6か月稼働可能な運転資金水準を確保したとする。
公庫融資を活用した設備投資は中小企業の資金調達手段の一つで、AM関連分野でも設備投資や事業拡大を目的とした融資事例がみられる。プロメシアンは、工場開設と品質保証の整備を一体で進め、設備投資だけでなく運転資金まで手当てする計画を組み込んだ。
国際認証取得を視野に入れる品質保証体制の整備は、検査設備の導入と並行して進める。工場の運営体制と品質保証の仕組みを同時に整える構成とし、AM補修に必要な検査能力とトレーサビリティの確保を図る。運用面では、設備導入と立ち上げに加え、人材採用および組織体制の強化を進め、工場開設に伴う体制づくりを含めた投資配分を示している。
今後は、設備の稼働開始と品質保証体制の本格運用に向け、供給能力や検査体制の整備状況が発注側企業の取引判断に影響を与える局面も想定される。プロメシアンは今回の融資を梃子に、AM補修工場の立ち上げと品質保証の高度化を進める構えだ。
