プロメシアン株式会社(東京都港区)は、日本政策金融公庫からAM(アディティブ・マニュファクチャリング)技術を活用した補修工場の開設に向け、3,000万円の融資を受けた。資金を活用し、工場の開設準備と品質保証体制の構築を本格化する。売上が一時的に停止した場合でも約6か月稼働可能な運転資金水準を確保し、次世代製造拠点の構築に向けた動きを加速させる。
融資資金は、AM補修工場の開設に加え、製造設備および検査設備の導入、工場運営に必要な運転資金の確保に充てる。プロメシアンはAM技術を活用した金属部品補修および品質保証を手掛けており、補修事業の高度化と産業実装を進める戦略の中核として今回の工場開設準備を位置づける。品質保証体制については、国際認証の取得を視野に入れて設計を進める方針だ。
必要資金の約90%確保
資金調達の規模は約3,000万円で、必要資金の約90%を賄う計画だ。資金計画では、既存事業および新規事業の売上が一時的に途絶えても、約6か月間の事業継続が可能な運転資金水準を見込む。無収益でも6か月稼働可能な財務基盤をあらかじめ確保することで、工場立ち上げ期の固定費負担に備える構えだ。
融資の実行日は3月27日。金利上昇環境下でも、同社は良好な条件での融資獲得につながったとの認識を示している。融資判断では、継続的なキャッシュフローに基づく返済能力や、2026年度以降の売上計画における投資回収の見通しに加え、工場開設に伴う雇用創出の可能性などが評価されたとみている。2025年度に毎月黒字を達成した実績も、足元の収益力を示す材料として資金調達の裏付けになったとしている。
同社は2025年8月に設立され、AM技術を活用した金属部品補修および品質保証事業を展開する。今回の資金調達により、設備投資と運転資金を一体的に確保し、工場立ち上げに必要な準備工程を計画的に進める。
工場開設に向けた取り組みは、設備導入だけでなく、検査設備を含む品質保証体制の整備と一体で進める。補修事業の産業実装を掲げる中で、運転資金を資金使途に組み込むことで、立ち上げ局面での固定費負担を吸収しうる資本構成とした点が特徴だ。
設備・検査・採用を同時進行
今後、プロメシアンは工場設備の導入および立ち上げ、品質保証体制の構築、人材採用および組織体制の強化を同時並行で進める。工場運営に必要な運転資金をあらかじめ確保したことで、設備導入から稼働、運営までを一連のプロセスとして段階的に実行する計画だ。
運用面では、工場開設の準備と並行し、どの水準まで品質保証体制を整備するかが焦点となる。国際認証の取得を視野に入れることで、検査設備の導入と運用設計を工場立ち上げの初期段階から組み込む。人材面では、AM補修や品質保証の専門性を持つ人材の採用と組織体制の強化を進め、工場運営に必要な技術・管理両面の基盤づくりを急ぐ。
市場環境では、AM関連の設備投資や産業実装の動きが国内外で拡大している。国内では金属3Dプリンティング装置の出荷額が前年比で増加傾向にあり、自動車、航空機、産業機械などで金属部品の補修・再生需要が高まっているとされる。一方、金利上昇環境下で金融機関の融資姿勢は慎重さを増しており、日本政策金融公庫の中小企業向け融資も、事業の安定性やキャッシュフローの継続性を重視する傾向が強まっている。
プロメシアンは、継続的なキャッシュフローや黒字実績、雇用創出の見込みなどを自社の強みとして打ち出し、今回の融資を、AM補修工場開設を通じて成長投資局面に移行するための資金と位置づける。今後は、工場設備の導入と品質保証体制の構築を進めるとともに、補修案件の受け入れ範囲や検査運用の水準を整理し、事業規模の拡大と収益基盤の強化を図る。
