青果物の品質を守るコールドチェーンを全国に展開するファーマインド(東京・千代田)は、2026年シーズンの台湾パインの輸入を開始した。台湾農業部など現地の関係機関との協力体制を強化し、供給体制を整えるとともに、台湾パインの魅力や品質管理の取り組みを消費者に直接伝える企画を3月から順次展開する。
台湾の主要産地である屏東・高雄から、食味が最も高まる時期を見極めて出荷されるパインを選定する。産地での選果と輸送・流通の温度管理を組み合わせ、高品質な状態で届ける体制を敷くのが特徴だ。現地機関との連携によるイベント出展などを通じ、輸入・流通と情報発信を一体で進める。
6年目の輸入体制
プロモーションは3月の始動イベントから段階的に展開する。3月12日に東京交通会館で実施したキッチンカーによる試食イベントでは、約1300人が台湾パインを味わった。4月4日には同会館の春の「台湾フェア」に出展し、台湾パインの販売と試食を行う。
5月5日には「“もったいなくない”食べるサイエンス教室」をホームメイドクッキング日本橋校で2回開催する予定だ。小学生とその保護者、計80人を招き、台湾パインを丸ごと使った実験を通じて学ぶ食育プログラムとする。4月4日の「台湾フェア」会場では、台湾農業部の胡忠一政務次長とファーマインドの小林格社長兼COOが、今年の台湾パインの品質や産地連携、過去の取り組みを紹介し、合同フォトセッションや質疑応答、事前申込制による個別取材にも対応する。
取り扱う商品は「台湾スイートパイン」で、代表的な品種として台農17号(金鑽パイン)を位置づける。3月の始動イベント、4月の台湾フェア出展、5月の食育プログラムと、企画を連続させて展開し、輸入・流通の取り組みと消費者向け発信を同時に進める。台湾パインの日本販売は2026年シーズンで6年目に入り、長期的な取引関係と市場浸透を前提にした体制構築を図る。
輸入面では、屏東・高雄の産地から最適な出荷時期の果実を選別する運用を掲げる。現地の関係機関と連動して供給体制を整え、産地連携や温度管理による品質保持の取り組みを、会場での体験型企画に落とし込む。4月以降は、さらなる交流イベントや社会課題をテーマとした企画へ広げる方針だ。
産地常駐と温度運用
台湾農業部との協力体制を継続的に強化しながら産地管理と物流を進める。産地側にはスタッフが常駐し、品質確認や生産状況の把握を行うことで、生産者との連携を密にする。輸送・流通では、収穫後の予冷から輸送、国内流通まで一貫した温度管理を行い、全国コールドチェーンを通じて鮮度を保ったまま小売現場まで届ける体制を敷く。
消費者との接点では、イベント出展と食育プログラムを組み合わせる。3月のキッチンカーによる試食に続き、4月4日の「台湾フェア」では政務次長と同社トップが品質や産地連携について説明し、質疑応答や個別取材の機会も設ける。5月5日の教室は、親子向けに台湾パインを丸ごと使った実験を通じて学ぶ構成とし、食べ方や保存方法、無駄なく使い切る工夫なども取り上げる見通しだ。
背景には、食育と食品ロス削減を結びつける狙いがある。同社は厚生労働省の令和元年「国民健康・栄養調査」で、子どもの1日平均果物摂取量が73.9グラムと目標値の半分以下にとどまっている点を課題とみる。農林水産省の「食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢」(令和7年11月時点版)が示す年間食品ロス233万トンにも着目し、果物摂取の拡大とロス削減を両立させるサステナブルな食育プログラムとして設計する。
このほか、台湾南部の温暖な気候や昼夜の寒暖差といった産地条件を紹介し、台農17号(金鑽パイン)の甘さや香り、芯まで食べやすい特徴を試食や体験を通じて伝える。産地情報と輸入・流通体制の両面を示しながら、台湾パインのブランド価値向上と市場拡大を図る構えだ。
