採用から活躍支援までAIで人事課題の解決を掲げる株式会社PeopleX(東京都新宿区)は、人事部門や組織のリーダーに向けた新雑誌「HR Frontier」を創刊した。キーパーソンへのインタビューや最新トレンド紹介などのコンテンツを載せ、年2回の刊行を予定する。
PeopleXは「HR Frontier」を、人事実務と経営戦略を深化させる「知のプラットフォーム」と位置付けている。紙の雑誌という形態で編集・発行し、人事担当者がページを繰りながら思考する時間と機会を提供する方針だ。配布対象は大手・上場企業の人事決裁者で、人事・労務書籍の読み放題サービス「HR LIBRARY」でも公開する。AI関連の人事領域サービスとあわせ、意思決定層に向けた情報提供を拡充する狙いがある。
2万部配布と年2回発行
発行部数は2万部で、刊行は年2回を予定する。大手・上場企業の人事決裁者向けに配布し、「HR LIBRARY」でオンライン公開も行う。創刊号は本日発行し、巻頭企画としてソフトバンクの執行役員でコーポレート統括を担う源田泰之氏のインタビュー記事を掲載した。人材ポートフォリオ変革の決断の背景、人事部門の役割、人事メンバーに求める資質、情報インプット術などを取り上げた。
創刊号は、巻頭インタビューに加え、特集「AIは『人事』をどう再定義するか?」を組んだ。特集内では、橘大地氏が「2030年、『レベル5』のAIが人と協働する時代へ」を寄稿し、坂井風太氏が「AI面接の現在地と未来図」、黒田真行氏が「『採用できないことが当たり前の世界』にどう向き合うべきか?」を論じる。さらに、HR INTERVIEWとして市川祐子氏が「株価に効く人的資本経営とは? 元楽天IRが明かす投資家の『本音』」、親松雅代氏が「世界中から人材を集めるメルカリの『言語戦略』」をテーマに寄稿。HR COLUMNとしては太田昂志氏の「人事のキャリアは“線”ではなく“面”で描け」や「人事リーダーが選ぶ『人事本以外』の一冊」などを収め、多角的に人事・組織課題を掘り下げる構成とした。
PeopleXは既存事業として、人事・労務書籍の読み放題サービス「HR LIBRARY」を運営するほか、対話型AgenticHRプラットフォーム「PeopleX AgenticHR プラットフォーム」、対話型AI面接サービス「PeopleX AI面接」、対話型AIロープレサービス「PeopleX AIロープレ」、対話型AI面談サービス「PeopleX AI面談」、エンプロイーサクセスHRプラットフォーム「PeopleWork」、マネジメント・育成支援「PeopleX マネジメントコンサルティング」などを展開している。雑誌を「HR LIBRARY」でも公開することで、紙媒体による到達とオンライン上の閲覧導線を組み合わせ、人事領域における情報流通網の拡大を図る。
外部環境を見ると、労働力人口は2025年に約6500万人、2040年には5300万人に減少するとの予測がある。働き方の多様化については、テレワーク普及率が2023年に約30%とのデータがあり、就労形態は大きく変化している。制度面では、2022年に東証プライム上場企業を対象に人的資本開示が義務化され、開示対応が広がっている。技術面では、生成AIの市場規模が2023年に約1兆円、2027年に10兆円に拡大する見通しとされ、人事領域でもAI活用を含む専門性が求められる局面が増えている。
HRテック市場は、日本国内で2023年に約2000億円、2028年に5000億円超に達するとの推計がある。採用領域に限ると、採用AIツールの導入企業比率は2024年に約25%との調査があり、面接におけるAI活用は1割に満たない水準にとどまる。PeopleXが「HR Frontier」でAI活用などの最新動向を扱うことは、こうした市場の課題意識と重なる。一方、配布対象を大手・上場企業の人事決裁者に絞り、あえて紙媒体を軸に据えた点は、経営判断に関わる層へ深度のある情報を届ける手段として位置付けられる。
紙配布とオンライン併用
PeopleXは創刊の背景として、日本企業が労働人口の減少や働き方の多様化、人的資本経営の重要性の高まりなどに直面し、人事課題が複雑化していることを挙げる。AIをはじめとする技術の急速な発展が人事実務に高度な専門性を求め、人事機能の役割や求められるスキルセットを再定義する動きが進んでいるとの見方だ。上場企業で人的資本の情報開示が制度的に広がる中、採用や配置、育成といった人事実務でもデータやテクノロジーの活用範囲が急速に拡大していることが背景にある。
流通・公開の形態としては、大手・上場企業の人事決裁者に対する紙媒体での配布に「HR LIBRARY」でのオンライン公開を組み合わせる。キーパーソンへのインタビューやトレンド紹介に加え、AI活用をはじめとする最新動向や将来展望を体系的に編集し、人事担当者が紙面を通じて腰を据えて思考する機会と、オンラインで反復して参照できる環境を同時に提供する。
