株式会社ペイロール(東京都江東区)は、株式会社プラスアルファ・コンサルティング(東京都港区)と業務提携に合意し、営業およびサービス両面での協業を開始した。両社の連携により、給与計算アウトソーシング「HR BPaaS」とタレントマネジメントシステム「タレントパレット」を組み合わせたサービス提供を検討する。これにより、企業の人事部門が抱える実務効率化と戦略的人材マネジメントを同時に支援する体制を整える。
協業の目的は、人的資本経営が求められる企業に対し、人事データと賃金データを統合した分析を可能にすることだ。ペイロールがもつ給与計算BPOのノウハウと、プラスアルファ・コンサルティング(PAC)が提供するデータマイニング技術を生かし、評価・スキル・離職予兆などの情報と賃金情報を結びつけた新たな賃金指標の企画開発を進める予定としている。
エンタープライズ企業を軸に営業連携
営業面では相互送客を推進し、双方の顧客基盤を活用して取引拡大を目指す。ペイロールは給与・評価制度の見直しを検討する企業にタレントパレットを紹介し、PACは給与計算の効率化を検討する企業にペイロールのサービスを紹介する。データ連携機能の共同開発も検討対象に含まれており、人事戦略と給与実務を一体で扱えるソリューションの整備を進める構えだ。
賃金データ連携で実務支援体制を拡充
両社は、人事データと賃金データを掛け合わせることで、報酬水準に関する客観的な判断を可能とする新たな指標を開発する計画を示している。これにより、属人的な判断に依存しない公平性の高い給与制度の検討を支援し、離職リスクの可視化などにも活用する意向だ。ペイロール側の給与計算アウトソーシング体制とPACのデータ分析基盤を組み合わせ、戦略立案と実務遂行を双方から支える取り組みとなる。
背景には、企業における人的資本経営の重視がある。ペイロールは260社・約112万人分の給与計算を受託する国内大手で、人事部の専門業務を代行してきた実績を持つ。一方のPACはテキストマイニングを強みに、タレントパレットを約4,300社に導入しており、科学的人事の実践を支援してきた。両社が保有するデータと技術を統合することが、今回の連携の土台となった。
協業では、HR BPaaSによる実務運用とタレントパレットの分析機能を一体化する仕組みを検討中で、エンタープライズ企業の人事部門に対して一貫した支援を行う形をとる。数量や提供期間については現時点で明示されていない。
人的資本経営の推進においては、データ活用と実務処理の分業が課題とされる。今回の連携は、企業の人材戦略と給与運用を同一データ基盤で扱う取り組みの一環であり、両社の技術協働がどのように定着するかが注目点となる。