パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社(大阪府門真市)は、病院やクリニックなどの医療施設向けに、遮音性能を高めた「簡易遮音引戸」を2026年4月1日から受注開始する。一般的な話し声をささやき声程度に低減できる遮音性能(T-1等級)を確保し、診察室やカウンセリング室などでのプライバシー保護に対応する。開閉形態やデザイン、色柄などの選択肢も幅広く用意した。
医療現場では、患者との会話の内容が外部に漏れないよう配慮することが求められており、近年は木質デザインを取り入れた快適な空間づくりへの関心が高まっている。パナソニックはこうした需要を踏まえ、デザインと遮音機能を両立させた新製品を投入する。主力の建材事業において、病院やクリニックなど非住宅用途の提案を広げる狙いがある。
医療空間に遮音対応製品を投入
簡易遮音引戸は、扉の上下や戸先・戸尻のすき間をふさぐシャッター機構やパッキンを備え、芯材や吸音材によって遮音性能を強化した構造をとる。納まりは枠納まりとアウトセット納まりのそれぞれに対応し、ソフトクローズ機構または自閉機構を選択できる。さらに新たに、意匠性を重視した天井埋め込み納まり仕様も受注を始める予定だ。
扉デザインは3種類を揃え、色柄はインテリア建材「ベリティス」と同一の全17柄に加えて、不燃面材対応柄11柄も用意する。これにより、施設ごとの空間デザインに合わせた幅広い提案が可能となるとしている。
建材事業の主力が非住宅市場で提案強化
パナソニック ハウジングソリューションズは、パナソニックグループの住宅設備・建材事業を担う中核会社で、住宅や福祉施設向けを中心に製品を展開してきた。建築システム事業では内装ドアや床材などを手掛け、非住宅分野への採用事例を拡大している。今回の遮音引戸も、医療施設や商業施設などへの展開を見据えた取り組みの一環と位置づけられる。
同社は「くらしの『ずっと』をつくる。“Green Housing”」を事業スローガンに掲げており、環境や社会課題に対応する商品開発を進めている。2025年度に発表された中期方針でも、福祉・非住宅分野や海外市場での展開強化を打ち出しており、今回の新製品はそうした方向性と一致する動きとみられる。
簡易遮音引戸は個別案件ごとの特注対応となり、数量や仕様は案件ごとに決定する形をとる。
製造・販売はいずれも同社が担い、設計仕様は自社の建築システム事業部が担当する。今回発表された天井埋め込み仕様は、意匠性を求める施設向けに個別特注で提供する形で、自閉機構付きモデルとの組み合わせにも対応する。
運用は全国の建設業者や医療施設からの受注を前提としており、カラー・サイズ指定を含めて案件単位で設計調整を行う。取引に当たっては、建築基準法に基づく遮音等級評価(T-1等級)の範囲で仕様を提示する形式をとる。
今回の製品投入は単発ではなく、同社が展開する「ベリティス」シリーズなどの既存建材群との連続的な商品展開の一部にあたる。過去にも非住宅施設向け内装建材の製品拡充を続けており、その流れを引き継ぐ動きとみられる。
今後は2026年4月の受注開始を起点に、医療機関や商業施設などへの提供を始める予定としている。