オリジン東秀株式会社(東京都調布市)は2月18日、3月1日付での役員人事および組織再編を発表した。代表取締役社長の後藤雅之氏がオリジン路面事業担当を兼務するほか、営業体制や管理部門の見直しを含む機構改革を行う。生産・人材・営業機能を再構築し、外食と中食の両分野での事業強化を図る狙いだ。
今回の改編では、店舗運営とグループ戦略の両面で新たな執行体制を整備する。営業担当を再編し、「オリジン路面事業担当」と「外食事業担当」を新設したほか、グループ事業担当も新設し、業態ごとに意思決定と実行を分けた組織運営に切り替える。また、既存の工場統括部を「生産管理統括部」に改称し、傘下に「工場品質管理部」を設け、製造部門の品質保証体制を強化するなど、製造から販売までの一貫体制の透明性を高めることを目的としている。
営業・製造・人材部門を再編
営業分野では、直営店の展開を担う「オリジン路面事業担当」を社長が兼務し、経営トップの指揮系統を直接店舗運営に反映する。
一方、店内調理や惣菜販売を軸とする「外食事業担当」ポストを新設し、分野ごとの戦略実行を加速させる体制となった。さらに、横断的にグループ内資源の最適化を進める「グループ事業担当」を置くことで、イオングループ各社との調達・商品供給面での連携を円滑にする狙いがある。
製造関連では、名称を改めた生産管理統括部の下に「工場品質管理部」を設けることで、上野原・佐野などの工場群の品質管理を一元化する。これにより、弁当・惣菜の大量製造から外食メニュー向け食材までを統合的に監督し、品質基準の均一化を進める。
人事教育部門についても「人事部」と「教育訓練部」に再編され、従業員育成を専門化することで、店舗オペレーションの水準向上を目指す。
中食・外食展開を両軸に拡充
オリジン東秀は、イオングループ傘下で弁当・惣菜販売の「キッチンオリジン」「オリジン弁当」などを主力に展開している。2025年には東京都世田谷区に「キッチンオリジン祖師ヶ谷大蔵店」を開店し、モバイルオーダーなど新しい購買行動に対応した販売網を拡充してきた。
また、外食事業では中華料理店「れんげ食堂 Toshu」に加え、2025年夏には“武蔵野うどん”を主題にした「武蔵野うどん小麦晴れ」を東京・国分寺市に出店。セルフ型の食べ放題方式を導入しており、郊外ロードサイド型の新業態として注目されている。
同社は2025年末にもスパゲッティ専門店「鉄鍋焼きスパゲッティ立川南口店」を開業し、祖業で培った調理技術を活かした外食ブランドの刷新を進めていた。
今回の機構改革では、こうした新業態を含む多層的な店舗群を効率的に統括し、各ブランドの独立性と連動性を両立する経営構造を確立することが課題となる。
沿革と事業多角化の経緯
同社は1966年に東京都世田谷区で「中華東秀」として創業した。1982年に持ち帰り弁当の先駆け「マミー弁当」を立ち上げ、1994年には量り売り惣菜を併設した「オリジン弁当」1号店を開店。これが現在の中食事業の基盤となった。
2006年にイオンとの資本業務提携を締結し、グループ内食材供給やデリカ融合事業に参画することで、全国規模での展開基盤を得た。以降、直営店舗網の拡充と外食事業再編を並行して進め、店舗展開と製造機能を兼備する多角的運営体制を築いている。
外部環境では、惣菜・弁当市場が拡大を続ける一方で、人手不足や食品ロス削減などの課題も顕在化している。
外食分野では、出店コストやエネルギー価格の上昇により効率経営が求められている。オリジン東秀では、社内部門の再編によって一層の柔軟性を確保し、製造・販売一体で需給変動や商品多様化に即応できる体制を整える考えだ。
社長主導の体制改革で機動力向上
経営トップ自らがオリジン路面事業担当を兼ねることで、トップダウン型の指揮系統を明確化し、決定から実行までのスピード向上を狙う。
また、グループ事業担当を中心に生産と販売の情報を横断的に共有し、イオングループ内連携を基盤にした供給網の効率化を進める。生産管理統括部と新設の工場品質管理部の連携も、生産コストの適正化と品質安全性維持の両立を重視したものとみられる。
業界関係者の間では、同社がこれまでの「中食中心型」から「外食との両輪型」へ経営資源を再配分しているとの見方がある。
実際に、既存の「キッチンオリジン」系列に加え、うどん・スパゲッティなど新カテゴリーの飲食業態を展開しており、販売形態の多様化が進んでいる。
今後の注目点
新体制施行後は、生産・営業・人材育成の三領域がそれぞれ専門化されることになる。効率的な人員配置や、地域特性に応じた店舗運営モデルの構築が課題となる見通しだ。
中食と外食を融合させた多業態展開の一環として、グループ内外での事業連携強化が今後の焦点となる。