株式会社オリエンタルコンサルタンツ(東京都渋谷区)は、三重県多気郡明和町立明和北小学校の屋上に設置した太陽光発電設備と蓄電池を用い、PPA(電力購入契約)による電力供給を始めた。学校や放課後児童クラブ、こども園に一部電力を供給し、非常時には非常用電源としても活用できる仕組みを整えた。
今回の導入は、明和町が多気町・大台町など近隣6町と進める「三重広域スーパーシティ構想」の一環で、2050年までの温室効果ガス実質排出ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ宣言」に基づく取り組み。
明和町で広域ゼロカーボン推進
明和町では2021年に6町合同でスーパーシティ推進協議会を設立し、ゼロカーボンとデジタル基盤を軸に地域連携を進めている。6町は2021年に共同で「ゼロカーボンシティ宣言」を行った。明和北小や周辺施設の整備は、こうした広域連携の中核事業として位置付けられている。
学校屋上発電で防災と教育の両立
新設される明和北小学校は、地域の防災拠点となる公共施設群の一つで、平常時は自家消費電力として、緊急時には非常電源として活用できる構成をとる。太陽光発電設備と蓄電池を組み合わせた屋上PPAモデルにより、初期投資を行わずに電力を調達する契約形態が採用された。導入設備の維持管理は発電事業者が担い、学校側は使用量に応じて電気料金を支払う形をとる。
明和町によると、同校は2026年4月の開校を予定しており、2月・3月には町民向け見学会を実施。既に建物は竣工し、太陽光設備を含めた全景が完成している。
PPA契約と地域連携体制
オリエンタルコンサルタンツが手がける今回のPPAは、発電設備の設置・所有・維持管理を事業者が担い、明和町が設定した電力単価で電気を購入する第三者所有モデル。事業期間中は再販売や他用途への転用を行わず、地域公共施設向けの供給に特化する形をとる。また、町内のエネルギー供給体制は2025年に設立された三重広域エネルギー株式会社を通じ、6町での地産地消モデル構築が検討されている。
初期投資が不要であることや、防災・教育機能を併せ持つ点が制度活用の条件に合致し、環境省の分散型エネルギー導入補助の対象として採択された。
既存協議体との接続と今後の施行
今回の導入により、オリエンタルコンサルタンツは三重広域エネルギー株式会社への設立参画に続き、広域連携における脱炭素設備整備で運営面の実績を形成した形となる。明和北小学校を含むPPA案件は、環境省が各自治体に推奨する「公共施設屋上での再エネ導入モデル」に沿っており、教育施設での実証事例としても注目される。学校、放課後児童クラブ、保育園の3施設が一体運用される点が特徴だ。
自治体への電力供給開始は既に完了し、明和町と同社は今後も町内公共施設の設備拡充に向けた連携を続ける予定。6町連携構想の下では、度会町や多気町の公共施設でもPPAを活用したゼロカーボン化事業が進められている。本件は、学校屋上PPA太陽光蓄電池導入の地方モデルとして、広域連携型再エネ導入事業の一段が具体化した形だ。