キャリアデータプラットフォーム事業を展開する株式会社ワンキャリア(東京都渋谷区)は、2030年度までを対象とする新たな中期目標を策定した。2030年度に売上高350億円、EBITDA100億円の達成を掲げる。新卒採用事業で300億円、中途採用事業で50億円を見込む計画だ。これまでの成長を踏まえ、AI活用を軸とした事業拡大を進める方針を示した。
ワンキャリアは2021年10月の東証マザーズ(現グロース市場)上場時に、2026年度までを対象とする中期目標を設定していた。上場時に掲げた2026年度の売上高100億円・営業利益30億円の達成が見込まれる中、次の成長段階として2030年度に向けた新たな目標を定めた。現中期目標が順調に進捗しており、さらなる事業拡大と資本効率の向上を狙う。
2030年度に売上350億円を目指す計画
ワンキャリアによると、2025年度の売上高は75億円(前期比40.3%増)、営業利益は21億円(同64.2%増)を見込む。2026年度には売上高105億円、営業利益30億円の計画を掲げ、上場時に発表した目標水準の達成を想定している。2021年度からの5年間の売上高CAGRは40.4%とされ、継続的な成長を示している。
今回の次期中期経営計画では、AIを活用して「プラットフォーム数」「商品数」「取引社数」の3軸で事業拡大を図ると記載している。新卒採用事業は就活生の約3人に2人が利用し、累計会員数200万人を超える会員基盤を持つ。この新卒領域でのユーザーと企業顧客のデータを活用し、中途採用事業へと転用させることで成長を加速させる構想を示した。
採用やキャリア支援サービスの利用企業は累計5,000社を超え、就活・転職支援の両領域においてデータ接続が進んでいることが新目標策定の前提になっている。
また、株主還元については、成長投資を優先しながらEPS拡大によるTSRの向上を目指す方針を掲げている。配当については、連結配当性向30%を目安とする安定的かつ継続的な実施を基本とする。
AIやシナジー活用を前提に体制構築
2030年度目標の達成に向け、AI技術を基盤とした事業領域拡張を示している。ワンキャリアは既存のキャリアデータプラットフォームを中心に、AIによるデータ処理や推薦システムを強化し、企業と個人双方の意思決定を支援する体制に移行している段階だ。販路や価格政策に関する詳細は未定とされるが、現段階ではプラットフォーム機能の高度化とユーザーデータ活用が柱となっている。
現在の新卒採用事業の顧客・会員基盤を、中途採用事業で再利用する仕組みが形成されている点も特徴だ。その他の詳細な実装過程や開発計画は現時点で明示されていない。
本目標における株主還元方針も明確化されており、連結配当性向30%を目安に配当を継続、内部資金の成長投資と両立させる設計を取る。これにより事業投資と財務健全性の両立を意識した運用姿勢がうかがえる。
ワンキャリアは「人の数だけ、キャリアをつくる。」を掲げており、個人と企業をつなぐデータ基盤の拡大を中心に事業を展開している。