創業114年のオフィス関連商社である株式会社オカモトヤ(東京港区虎ノ門)は3月9日、「2026健康経営優良法人ブライト500」(中小企業部門)に認定された。2015年からの働き方改革や健康配慮の施策を継続してきた。従業員の健康管理を経営的な視点で捉える動きが、取引先や採用などの対外接点にも影響しうる。
健康経営優良法人認定制度は、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している法人を日本健康会議が認定する制度だ。健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」し、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境整備を目的に掲げる。株式会社オカモトヤは働き方改革の定着を受け、社内外で取り組みを推進していく方針を示している。
中小部門で23085法人
第10回の「健康経営優良法人2026」では、「大規模法人部門」3765法人(上位法人には「ホワイト500」)と、「中小規模法人部門」23085法人(上位法人には「ブライト500」)が認定された。昨年度より、上位法人へのランクとして「ネクストブライト1000(501~1500)」の認定が新設された。昨年度の健康経営優良法人2025の認定数に対し、両部門ともに増加が見られた。
株式会社オカモトヤは2015年から働き方改革に取り組んできた。「平日でも休みやすい風土が欲しい」という社員の希望が以前よりあったという。社員のご両親の介護への不安や、働く女性が継続的に働ける環境といった論点があったという。
同社は規定の整備やフリーアドレスの導入などの環境整備を進めた。従来から健康診断の受診やインフルエンザ予防接種の推進など、社員の健康に配慮した経営を意識してきたという。2020年のコロナウィルス感染拡大を受け、毎月の抗原検査の実施やワクチン接種後の特別休暇なども整備し、社員の安心・健康への配慮に取り組んできたとしている。
2025度施策と社内行事
2025度の取り組みとして同社は、子宮頸がんワクチンの希望者接種の会社補助(20代・30代女性を対象)、検診戦による健康診断参加意識の向上、健康飲料の提供、健康診断受診後の再検査100%受診を目指した再検査特別休暇の設置を挙げた。ライブオフィスで自社事例や健康経営ツール、健康経営アイテムを紹介し、他企業への紹介も掲げている。
社内イベントでは「歩こうフェス」と朝食イベントを実施した。「歩こうフェス」は参加社員が任意チームを作成して1カ月間の個人歩数とチーム歩数を競いあう内容とした。朝食イベントは昨年に引き続き開催し、今年は他拠点でも同時参加できるように工夫し、遠隔拠点には事前に朝食を送付して開催したとしている。
同社は2024年1月に本社を移転し、新しいライブオフィスを「palette」として運営している。「palette」では、女性活躍を推進する事業Fellneが提案するセルフメンテナンスルーム「Fellne セルフメンテナンスルーム」を設けた。ディバイスの持ち込み禁止などに触れつつ、通常執務するオフィス内に設置し、入口と出口を分けて使用者同士が顔を合わせない構造を採用したという。アロマディフューザーやストレッチ器具などのアシストグッズ、マウスウォッシュやリフレッシュシートなどのアメニティグッズを備えた「アメニティバー」も同時に展開し、就業時間内に利用できるとしている。
新オフィスには「オフィスの中にゴルフ場」を設置した。健康経営・福利厚生の観点に加え、ゴルフ部のコミュニケーションの一環として設けたとしている。移転に伴い、昼食を手軽にバランスよく取れるような食のサービスを提供し、カフェエリアを軽食を食べられる空間とした。
本件で焦点となるのは、制度認定の枠組みの下で、社内施策の継続と社外への紹介をどこまで同時に進めるかだ。同社は新年度に朝食イベントの定期開催、運動イベントの開催、健康意識を広げる活動を企画するとし、ライブオフィスを通じて事例として広く活動していく方針を示している。取引管理の観点では、ライブオフィスでの紹介が「自社事例・健康経営ツール・健康経営アイテムの紹介による他企業への紹介」とされる点や、社内施策が就業時間内の利用を含む形で運用される点が、接点設計の論点になりうる。
