Nyle4株式会社(福岡県久留米市)は22日、東京・二子玉川 蔦屋家電で開く「ガジェット展示会2026 春 Supported by Ulanzi」で、新しいモバイルバッテリーブランド「&Cell(アンドセル)」を発表する。会場では、次世代電池「全固体セル」を搭載したモバイルバッテリーの第一弾モデルを初公開する予定だ。モバイル機器向け電源の新たな選択肢となる可能性がある。
&Cellは、次世代バッテリー技術である全固体セルを中核に据えたブランドとなる。スマートフォンやウェアラブルデバイスの利用拡大で、モバイルバッテリーには「安全性」「長寿命」「信頼性」が一段と求められている。今回の展示は、全固体セル搭載の製品を市場に先駆けて提示する試みで、Nyle4が掲げる「ウェアラブルデバイスや次世代電源などの製品開発・発掘」の一環となる。
Nyle4支援総額1,200万円
Nyle4は2025年11月、純チタン削り出しのスマートリング「OraMemo Ring」を先行販売し、支援総額は1,200万円以上に達した。「ガジェット展示会2026 春 Supported by Ulanzi」では、新ブランド「&Cell」とあわせてOraMemo Ringも展示する。
同展示会は今回で第8回目の開催となり、未発売製品やスタートアップの最新デバイスなどを「見て・触れて・体験できる」展示イベントとして運営されている。会場は東京・二子玉川 蔦屋家電2階エスカレーター前で、Nyle4にとっては初の出展機会となる。
OraMemo Ringは、純チタン削り出しのボディを採用したスマートリングだ。6基のLEDと2種類のセンサー、AIアルゴリズムによるデータ解析を組み合わせ、睡眠や活動量など日常のコンディションを可視化するウェアラブルデバイスとして開発された。一般販売は2026年5月以降の開始を予定している。
Nyle4は2025年8月に設立されたスタートアップで、ウェアラブルデバイスと次世代電源の開発を同時並行で進めている。今回の展示会では、スマートリングと次世代電源を同一会場で並べることで、デバイス本体と電源ソリューションの両面から事業領域を示す構成とする。
市場データによると、スマートリング市場はグローバルで2023年に約1,000億円規模で、2028年までに5,000億円超へ拡大する見通しだ。日本市場も2025年に約100億円規模とされ、健康・フィットネス用途を中心に需要が広がる。ウェアラブル機器の普及は周辺機器の電源需要を押し上げる要因となり、Nyle4がモバイルバッテリー領域に参入する背景とも重なる。
全固体電池は、固体電解質を用いる次世代電池として研究開発が進んでいる。トヨタ自動車が2013年から研究を続け、2027〜2028年の量産化を目標に掲げるなど、自動車からモバイル機器まで応用範囲の広い技術と位置づけられている。全固体電池市場は2025年に約500億円、2030年に1兆円超に拡大するとの予測もある。
日本のモバイルバッテリー市場は2025年に約1,500億円規模と見込まれ、年10%程度の成長が続くとの見方がある。安全性基準ではPSE法への適合が課題となっており、全固体セルについてJIS規格化を巡る議論も進む。高エネルギー密度と安全性の両立が求められるなか、Nyle4は全固体セルをモバイルバッテリーに搭載した第一弾モデルを提示し、市場の反応を探る。
二子玉川で第8回出展
展示会で初公開する第一弾モデルは、来場者が「見て・触れて・体験できる」形式で披露する。&Cellはブランド立ち上げの段階から全固体セルを前面に打ち出し、安全性や耐久性を重視する高付加価値ゾーンを狙う。モバイル機器の多様化とともに、ビジネス用途やアウトドア用途など、より高い信頼性を求める需要を取り込む構えだ。
OraMemo Ringとの同時展示により、Nyle4はウェアラブル機器の利用シーンと、それを支える電源ソリューションを一体で示す。先行販売で1,200万円超の支援を集めた経験は、クラウドファンディングを活用した製品検証や、一般販売に向けたマーケティング手法の蓄積につながっている。初出展となる今回の展示会は、来場者との接点づくりや法人営業につなげる契機ともなりそうだ。
今後は、展示会での反応を踏まえた第一弾モデルの仕様確定やラインアップ拡充、OraMemo Ringの2026年5月以降の一般販売に向けた販売チャネル構築が焦点となる。ウェアラブルデバイスと次世代電源の両輪で事業を拡大できるかどうかが、Nyle4の成長力を占う試金石となる。
