野村不動産株式会社(東京都港区)は、株式会社クリーンエナジーコネクト(東京都千代田区)と共同で、企業PPAによる再エネ導入を目的とした協業を開始した。両社は共同出資により発電・PPA事業を手がける合同会社を設立し、FIT制度に依存しない約550カ所のNon-FIT小型太陽光発電所を開発・運営する計画だ。発電電力と環境価値を野村不動産グループに供給し、脱炭素化を進める。
協業の目的は、野村不動産グループのカーボンニュートラル実現に向けた再エネ導入の拡大にある。両社が設立する合同会社が発電と供給の主体となり、野村不動産グループが利用電力として受け取る構図だ。グループ全体でのCO2削減戦略の一環で、省エネルギーや再生可能エネルギーの利用促進と並行して推進される施策に位置づけられている。
野村不動産グループの40%分を賄う見込み
今回の取り組みによる年間発電量は約5,250万kWhで、野村不動産グループの2025年3月期購入電力(Scope2)の約40%に相当する。野村不動産グループは2030年度までに2019年度比でScope1・2を60%、Scope3を50%削減する目標を掲げており、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環となる。
再エネ供給により、グループ施設の運営段階におけるCO2排出低減を進めるほか、持続的な電力供給網の整備を進める考え方が示された。
野村不動産グループは1957年設立の不動産デベロッパーとして、住宅・都市開発・物流施設などを全国で展開している。直近では都市開発分野でも脱炭素型エネルギーの導入実績を積み上げている。
クリーンエナジーコネクトは、太陽光発電の開発や再エネ電力提供を行う企業で、オフサイトコーポレートPPAを通じた脱炭素経営支援を展開している。
共同出資による発電体制構築と地域支援
合同会社は野村不動産とクリーンエナジーコネクトの共同出資により設立される。発電事業ではクリーンエナジーコネクトが開発・運営を担い、発電電力を野村不動産グループ専用として提供する構成だ。発電所には、同社提供の災害時用コンセント「備えるコンセントⓇ」を設置し、災害発生時に周辺住民が電力を利用できるかたちをとる。
これは、非FIT型の分散小規模電源運用を進める方式であり、発電と防災機能を両立する構造を備えている。発電所は全国で約550カ所に及ぶ計画で、地域分散型の供給網として運営される。
供給電力は野村不動産グループに限定され、企業PPAを通じて契約供給する仕組みだ。
数百カ所規模の協業発電体制は両社の既存事業から派生した新たな組織形態であり、事業運営への責任分担が定義されている。クリーンエナジーコネクトは技術供与と現地運営を、野村不動産は発電量受け入れとカーボンマネジメントをそれぞれ担う。
これらのNon-FIT発電所は、運転継続条件下では発電所周辺住民の停電対策にも資する形をとる。再販計画や次期拡張策については明示されていない。
野村不動産とクリーンエナジーコネクトは今後、グループ外の企業への脱炭素支援の検討も進める方針を述べており、法人顧客への提供支援を予定している段階だ。
今回の協業により、企業PPAを基盤とした非FIT小型電源の構築が具体化した。グループ調達電力の4割を再生可能エネルギーでまかなうための供給枠として機能し、今後の発電事業の展開に向けた運用条件を整える動きとなる。