能美防災株式会社(東京都千代田区)は、2026年3月期第3四半期連結決算で、売上高・受注高ともに過去最高を更新したと発表した。第3四半期(2025年4月~12月)の営業利益は前年同期比で4.8%増の79億80百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は8.6%増の59億45百万円となり、第2四半期までの減益傾向を反転させた。同社は通期で2年連続の最高益を見込むとしている。
防災業界の市場環境が引き続き堅調に推移し、特定分野に限らず受注が高水準で推移したことが背景にある。採算性の低い大型物件が減少し、第3四半期では増益に転じたとしている。第4四半期に工事の竣工が重なる傾向があり、業績は下期に偏重する構造となっているが、通期での過去最高益の見込みが示された。
売上高、受注残高へ
第3四半期の連結売上高は前年同期比4.6%増、受注高は同7.7%増。受注残高も過去最高水準を維持した。売上原価率は65.5%と前年同期から1.8ポイント改善し、粗利率も上昇している。火災報知設備が8.1%増、消火設備が1.2%増、保守点検等が5.9%増と、主要3分野すべてで前年を上回る推移となった。
セグメント別では、火災報知設備の売上高が341億75百万円、消火設備が308億62百万円、保守点検等が239億93百万円となった。消火設備セグメントの利益率は18.4%と前年より3.6ポイント改善し、部門別でも最も高い伸びを示した。
セコム系グループ、受注から保守までの一貫体制
能美防災グループは、親会社であるセコム株式会社および連結子会社26社、関連会社4社で構成される防災事業グループ。火災報知設備、消火設備、保守点検等を中心に、製造から販売、施工、保守に至るまでを一貫して手掛けている。子会社の能美エンジニアリング株式会社などが施工や保守を担い、国内では岩手ノーミ、北海道ノーミなど複数の地域会社が施工業務を分担している。
火災報知設備については、台湾や中国の合弁会社を含む海外法人で製造し、国内外で販売。セコム株式会社にはOEM供給を行っており、用途に応じた供給ルートを確保している。これにより、製造から施工・保守までグループ内で完結できる体制を前提としている。
販売・施工は国内各地のグループ会社が請け負う形が多く、保守点検では24時間体制を前提とした業務運用を取っている。国内90%超を国内設置物件が占める構成のため、需給環境の安定が業績を支えている構造となっている。
今回公表の第3四半期決算は、過去3年間連続で第3四半期の過去最高受注を更新しており、設備更新やリニューアル需要を背景とした堅調な受注が続いている。能美防災の動きは、防災機器を中心としたインフラ維持・更新需要が継続していることを示すものとなった。