株式会社NOKID(東京都港区)は、長野県飯田市の名勝・天竜峡エリアにサテライトオフィス「NOKID IIDA STUDIO」を開設する。あわせて、地方移住・2拠点居住を検討するアニメーター、デザイナー、動画編集者向けに、最大110万円の移住支援金を含む支援と「第一次 移住クリエイター募集」を始める。これにより、制作拠点の選択肢が広がり、移住を伴う就業の検討材料になり得る。
取り組みの柱は、飯田市の支援制度の活用と、NOKIDによる上乗せを組み合わせた支援設計にある。対象は東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)、大阪府、愛知県から飯田市へ移住し就業要件を満たす人、または長野県の創業支援金の交付決定を受けた人で、飯田市UIJターン就業・創業移住支援事業補助金の枠組みに沿う。NOKIDは飯田市の移住支援金に加え、独自に10万円を上乗せ支給するとしている。移住後の経済的不安を払拭するための仕組みも設ける。
支援策の詳細
支援策は「最大110万円の移住支援金」とされ、内訳として飯田市の移住支援金にNOKIDが10万円を上乗せする形をとる。飯田市の制度では、移住支援金は予算の範囲内で支給され、最大100万円、単身の場合は最大60万円と記載がある。受付は予算上限に到達次第終了し、申請期限は移住してから3か月経過後、1年以内とされる。
飯田市は、テレワークなど働き方改革に取り組む企業がサテライトオフィス等を開設する場合の補助制度も設けており、NOKIDは「飯田市サテライトオフィス等開設支援補助金」を活用した。補助額は進出支援金50万円、オフィス改修経費の1/2(最大150万円)で、改修は市内業者が施工する条件が示されている。
NOKID IIDA STUDIOの開設場所として、飯田市は「飯田市龍江7455 HIGASA」を挙げている。飯田市工業課は、同拠点をアニメーション制作拠点として位置付け、企業等のPR映像制作を基盤に事業を行いながら、今後は自社の短編アニメIPを制作して飯田から国内外に配信していく計画と記している。
支援は制度連動が軸
取り組みは、飯田市UIJターン就業・創業移住支援事業補助金の要件を満たす移住者を主な対象とする形をとる。飯田市の説明では、東京圏、大阪府、愛知県から移住し就業要件を満たした人、または長野県の創業支援金の交付決定を受けた人が対象となり、申請後は5年以上継続して飯田市に居住する意思があることなどが要件に含まれる。返還要件として、要件を満たす職を辞した場合などが挙げられている。
NOKID側の支援は、飯田市の移住支援金に対する10万円の上乗せに加え、対象職種として、アニメーター(レイアウト・作画監督)、デザイナー(グラフィック、web)、映像グラフィッカー(モーショングラフィックス・3DCG)を挙げ、役割や想定する人物像を明示している。
開設記念に旅応援企画を実施、今後の焦点は
開設記念の施策として、クリエイターの旅を応援する企画「Drawing My Japan in TENRYUKYO」を実施する。応募は公式SNSのフォローとリポストを条件とし、期間は3月2日から3月20日まで、当選人数は1名とされる。
次に焦点となるのは、飯田市の移住支援金の申請期限(転入後3か月経過後、1年以内)や、就業要件・継続居住の同意など制度運用に沿った手続きの有無だ。企業間取引や業務委託の観点では、年間100万円以上の制作案件を「優先的に発注」とする範囲、ならびに上乗せ支給の条件がどこまで文書化されるかが論点となり得る。NOKIDは飯田市・天竜峡で「NOKID IIDA STUDIO」を開設し、移住と制作案件の組み合わせによる募集を開始する動きを示している。
