日本ゼオン株式会社(東京都千代田区)は18日、山口県周南市由加町の事業用地で、シクロオレフィンポリマー(COP)を生産する新プラント建設工事の起工式を開いた。3月から本格工事を始め、2028年度上期の竣工を予定する。新プラント完成により、COPの年間生産能力を現有比で約30%増強する。
新プラントは、光学用途に加え医療用途、半導体用途で採用が広がるCOPの需要に対応するための取り組みとなる。新たな事業所名は「日本ゼオン株式会社 徳山工場東製造所」とし、既存の徳山工場(山口県周南市、工場長:本間彰)と一体で運営し、周南地区での事業拡大を図る。
生産能力を約30%増
日本ゼオンは周南市由加町の事業用地でCOP新プラントの建設工事に着手する。2028年度上期の竣工を予定し、新プラント完成によりCOP年間生産能力を現有比で約30%増強する計画だ。COPは製品名「ZEONEX®」「ZEONOR®」で展開し、同社が独自に開発した高透明なプラスチックとされる。
18日に現地で実施した起工式には、山口県、周南市および地域から来賓を招いたほか、施工関係者、豊嶋哲也代表取締役社長、本間彰工場長をはじめとするゼオン関係者ら62名が出席し、工事の安全祈願を行った。同日実施の記者会見で豊嶋は、COP需要への対応や周南エリアでの事業拡大に言及した。
ゼオンは中期経営計画「STAGE30」の第3フェーズ(25-28年度)で、「モビリティ」「医療・ライフサイエンス」「情報通信」「GX」を成長分野に掲げる。これらの分野にリソースを集中投入し、事業ポートフォリオの組み換えを促進する方針を示している。
COPは光学フィルムや光学レンズなどの光学用途に加え、シリンジや細胞培養プレートなどの医療用途、半導体搬送容器への展開が挙げられている。ゼオンはCOPを着実に拡大する成長ドライバに位置づけ、材料特性や採用実績を踏まえた事業拡大を目指すとしている。
第2拠点で供給安定化
今回の新プラントは、既存の水島工場(岡山県倉敷市)に次ぐ第2のCOP生産拠点となる。ゼオンは複数拠点化により、COPの供給安定化を図る方針を示している。徳山工場東製造所は、既存の徳山工場と一体となる運営形態をとる。
一方で、3月の本格工事開始や2028年度上期の竣工予定以外の工程詳細、設備仕様、供給先の範囲、運営体制の具体的な役割分担は明示されていない。新事業所の稼働開始時期や供給形態の区分など、運用面の具体は今後の情報開示が待たれる形となる。
今回の動きは、周南市由加町での新プラント建設と、徳山工場東製造所として既存工場と一体運営する方針を同時に示した点にある。取引管理の観点では、現有比約30%の能力増強と第2拠点化が示された。
