オンラインゲームの制作及び運用を行う株式会社ネクソン(東京都港区)は、投資家向けに当社戦略の最新情報を説明するため、キャピタル・マーケット・ブリーフィングを開催した。開発プロセスの再設計やコスト管理の徹底、主力ブランドを基盤とするIPポートフォリオ、グローバル市場への展開加速を説明した。これを受け、既存フランチャイズの拡張と新作投入の進め方が、開発運用の体制や投資判断に波及する可能性がある。
ネクソンは、開発プロセスの再設計とコスト管理の徹底を進める計画を示し、IPポートフォリオ及びフランチャイズ拡張戦略とあわせて経営変革に向けた取り組みを説明した。会長のパトリック・ソダーランド、代表取締役社長のイ・ジョンホン、代表取締役最高財務責任者の植村士朗が登壇し、グローバル展開を予定する新作タイトルのパイプラインに焦点を当てたプレゼンテーションを実施した。ネクソン取締役のパトリック・ソダーランドは、戦略とクリエイティブの統括を担い、子会社Embark StudiosのCEOを引き続き兼任する方向性を示している。
売上収益4,750億円
パトリック・ソダーランドは、ネクソンが2025年度に通期売上収益4,750億円を達成し、通期営業利益が1,240億円、現金及び現金同等物が8,000億円超にのぼったと述べた。
パトリック・ソダーランドは、新たな市場への展開を加速する戦略に触れ、「『ARC Raiders』は、ネクソンがグローバル市場で通用する作品を創出できることの証明です」と述べた。続いてイ・ジョンホンは、メイプルストーリー、アラド戦記、FC、マビノギといった主力フランチャイズの成長戦略と新作パイプラインを紹介し、メイプルストーリーフランチャイズが新作投入や新たなゲーム体験の提供により、サービス開始から22年を経てもなお成長を続けていると説明した。
そのうえでイ・ジョンホンは、メイプルストーリーフランチャイズの成功が、アラド戦記のような他の大型フランチャイズの成長戦略モデルとなるとの見解を示した。アラド戦記フランチャイズでは、『Dungeon&Fighter: Idle RPG』、『Dungeon&Fighter Classic』に加え、AAAタイトルである『Dungeon&Fighter: ARAD』及び『Project OVERKILL』を含む4作を開発中としている。
AI導入と新作投入
イ・ジョンホンは、プレイデータやプレイヤーとのやりとりを集積したデータベースを学習させた人工知能(AI)の導入に関する見解も示した。数十億規模のインタラクションデータをAIに学習させ、ゲームデザインからライブサービスに至るまで、あらゆる意思決定において「コンテキスト」を踏まえた判断を可能にしていると説明し、クリエイター人材を置き換えるものではないとの考えも述べた。
開発パイプラインでは、『Dungeon&Fighter: Idle RPG』をリリース予定とし、『Dungeon&Fighter Classic』は2027年のリリース予定とした。『Dungeon&Fighter: ARAD』はアラド戦記フランチャイズのグローバル展開を目的とした取り組みの第2作、『Project OVERKILL』は同取り組みの第3作でPC及びコンソール向けオンラインアクションRPGと説明している。『Vindictus: Defying Fate』はマビノギフランチャイズをベースにしたPC及びコンソール向けの最新アクション体験、『NAKWON: LAST PARADISE』は崩壊後の都市を舞台にしたマルチプレイヤー・サバイバルゲームとした。
新作の提供形態を整理
ネクソンが示した開発計画は、複数年のリリース予定を併記しながら進める形をとっている。『Dungeon&Fighter: Idle RPG』はリリース予定、『Dungeon&Fighter Classic』は2027年のリリース予定とされ、短期と中期のタイトルを同一パイプラインで提示した。『Dungeon&Fighter: ARAD』と『Project OVERKILL』は、アラド戦記フランチャイズのグローバル展開を目的とした取り組みの第2作、第3作と説明され、シリーズ内での順序関係までは語られている一方、提供開始時期の明示は限られている。
体制面では、パトリック・ソダーランドがネクソン取締役として戦略とクリエイティブの統括を担い、子会社Embark StudiosのCEOを兼任する形を示している。イベントでは会長、代表取締役社長、代表取締役最高財務責任者が登壇し、開発プロセスの再設計やコスト管理、IPポートフォリオ及びフランチャイズ拡張戦略、新作パイプラインを一体で説明した。加えて、トランスクリプトの公開とアーカイブ動画の後日掲載予定には触れた。
本イベントで示された論点は、開発プロセスの再設計とコスト管理を掲げつつ、主力フランチャイズの拡張とグローバル展開予定の新作群を同時に進める点にある。法人側の取引管理や事業開発では、各タイトルの提供開始時期の明示範囲や、登壇者が示した役割分担の範囲に沿って、共同で扱う情報の粒度をそろえる運用が求められる形となる。ネクソンはキャピタル・マーケット・ブリーフィングで、経営変革に向けた計画と新作パイプラインをあわせて提示した。
