New Relic株式会社(東京都中央区)は4月1日付で、New Relic グローバルのグループ・バイス・プレジデント(GVP, Head of Japan)兼 New Relic株式会社の執行役員 日本事業統括責任者に古舘 正清氏が就任したと発表した。新体制により、日本市場への投資と支援の動きが人員・拠点の両面で加速する可能性がある。
New Relic, Inc.における日本統括(GVP, Head of Japan)と、日本法人の執行役員 日本事業統括責任者を古舘氏が兼務する。New Relicは国内オブザーバビリティ市場で7年連続トップシェアを掲げており、同社は急拡大する国内市場でのリーダーシップ拡大を目的に、エンタープライズIT領域で実績を持つ経営人材を据える位置づけとした。
国内3.8万人超が利用
New Relicは国内ユーザー数が38,000名を超えるという。前期(2026年3月期)には国内従業員数を20%増員した。
加えて、3月12日に日本データセンターの開設と最新のAI機能群の発表を実施するなど、日本市場への投資やサポート体制の拡充を進めてきた。
同社は市場調査「2025年版 サービスマネジメント市場のマーケティング分析」(テクノ・システム・リサーチ、2025年10月)を根拠に、国内オブザーバビリティ市場で7年連続トップシェアとしている。
ユーザー基盤の拡大と、人員増を伴う体制強化を並行させている点が、国内での運用支援の持続性という観点でも材料になる。
Veeam日本法人で8年
古舘氏はエンタープライズIT業界での経験を持ち、直近8年間はヴィーム・ソフトウェア株式会社(Veeam Software 日本法人)の執行役員社長を務めた。
同社をデータ保護分野の市場リーダーへと押し上げた実績があるとしている。
経歴としては、1984年に日本アイ・ビー・エム株式会社でキャリアを開始し、2001年にテクノロジー事業部長(北アジア担当)、2005年に日本マイクロソフト株式会社の業務執行役員、2011年にレッドハット株式会社の常務執行役員を歴任した。2015年にF5ネットワークスジャパンの代表取締役社長を経て、2018年からヴィーム・ソフトウェア株式会社で執行役員社長を担ってきた。
経営陣が日本注力を明言
New Relic CEOのアシャン・ウィリー氏は、日本を「極めて重要な成長市場」と位置づけたうえで、古舘氏の経験と国内エンタープライズ・データ領域への洞察を評価し、日本事業を次の成長フェーズへ導くことへの期待を示した。
アジア太平洋・日本担当SVPのロブ・ニューウェル氏も、日本を投資戦略の要とし、古舘氏の就任を機に日本市場への注力を加速させる考えを示した。
古舘氏は、AI時代にビジネスのリアルタイム化が進む中で、オブザーバビリティプラットフォームが重要なIT基盤になるとの認識を示し、「AI強化型のビジネスオブザーバビリティ」を新たなインフラ標準として確立する方針を述べた。
人員増と新拠点で継続投資
New Relicは前期に国内従業員数を20%増員し、3月に日本データセンター開設も打ち出した。
背景には、同社が国内市場でのシェア首位を掲げる一方、国内ユーザー数が38,000名超へ拡大し続ける中で、運用支援や顧客対応を含むサポート体制の厚みが問われやすい状況がある。人員増と拠点整備を同時に進めた上で、日本統括と日本法人の事業責任者を同一人物が担う体制へ移行したことは、投資判断と現場運用の意思決定を近づける狙いが読み取れる。
一方で、国内での体制拡充が進むほど、需要(導入・利用拡大)に対して供給(サポート体制・運用対応)が追随できるかが運用単位の注目点となる。New Relicは投資とサポート体制を「かつてない規模で加速」と表現しており、今後は国内ユーザー基盤の伸長に合わせた運用の平準化が課題として顕在化し得る。
オブザーバビリティ首位継続へ
New Relicは、国内で7年連続トップシェアを掲げ、ユーザー数38,000名超の基盤を持つ。
日本データセンター開設やAI機能群の打ち出しに続き、古舘氏が日本統括と日本法人の事業統括を兼務する体制となったことで、パートナーエコシステムの活性化や顧客支援の強化を含む国内オペレーションの実装がどこまで進むかが焦点となる。
取引・運用の観点では、国内サポート体制の拡充を掲げる一方で、提供主体(New Relic)と販売・支援の役割分担がどの形で運用されるか、パートナーエコシステムの位置づけがどこまで具体化するかが注目点となる。
日本市場への投資を伴う体制整備が進む中、統括責任者の交代が国内事業の運用設計と支援体制の継続性にどのように結びつくかが、次の論点として残る。
