日本電気株式会社(以下、NEC)は、ストレージ製品「iStorage Vシリーズ」とAmazon Web Services(AWS)をデータ連携させ、クラウド移行、データ利活用、災害対策などを実現する「iStorage Vシリーズ SDSクラウドボリュームサービス」を販売開始すると発表した。あわせてiStorage Vシリーズ向けに「ランサムウェア対策・復旧支援サービス」も販売開始する。オンプレミスとクラウド間の連携により、移行時の負荷分散や運用設計の選択肢を広げる点が、利用企業のシステム運用コストに波及しうる。
「iStorage Vシリーズ SDSクラウドボリュームサービス」は、iStorage Vシリーズと、AWS上のSDS(Software-Defined Storage)を接続し、オンプレミスとクラウド間のデータ連携を可能にするマネージドサービスとなる。クラウド側ではAWS上の仮想サーバーからSDSのボリュームを利用でき、オンプレミスのデータを起点にクラウド上の利用環境を整備しやすくする狙いを示している。対象システムや優先度に応じて必要な領域からクラウド利用を開始できる点は、段階的な改修やモダナイズの計画にもつながる構えだ。
月額従量で個別見積
NECは料金体系として月額の従量課金型を採用し、価格は個別見積もりとした。サービスはiStorage VシリーズとAWS上のSDSを接続し、オンプレミスとクラウドの間でデータ連携を行う形をとる。クラウド移行、データ利活用、災害対策を用途として挙げ、オンプレミスのデータを起点にクラウド側の利用環境を整えやすくする運用を想定している。
クラウド側のSDSは、オンプレミスのストレージ技術を採用し、圧縮・シンプロビジョニング機能によりコスト低減を図れるとしている。オンプレミスのデータをクラウド上で扱える環境を整備することで、分析や開発、検証作業を加速可能とも説明した。クラウド上への災害対策環境の構築に対応し、自社で災害対策サイトを持つための維持コストを削減できるとしている。
あわせて販売開始する「ランサムウェア対策・復旧支援サービス」は、「Secure Snap」機能を活用し、対策の構築から事前の復旧訓練を提供するとした。ストレージ層の運用に、復旧訓練や復旧作業支援を含めたサービスを重ねる形となり、データ保護の運用設計を外部サービスと組み合わせる余地が広がる可能性がある。
AWS上SDSを運用
今回の取り組みは、iStorage VシリーズとAWS上のSDSを接続し、オンプレミスとクラウド間のデータ連携を可能にする構成をとる。クラウド側ではAWS上の仮想サーバーからSDSのボリュームを利用できる一方、オンプレミスのデータを起点に必要な領域からクラウド利用を開始できる運用を想定している。段階的な改修やモダナイズを計画しやすくし、移行時の負荷分散につなげる考え方も示した。
運用設計では、将来的なオンプレミス回帰などの選択肢も考慮した柔軟な運用設計に対応するとした。災害対策では、クラウド上に災害対策環境を構築する形を示し、自社で災害対策サイトを持つ場合の維持コスト削減に言及している。
NECの提供
今回の発表で焦点となるのは、オンプレミスのストレージを起点にAWS上のSDSボリュームを利用できる環境を、マネージドサービスとして提供する点と、同時にランサムウェア対策から復旧訓練・復旧支援までをサービスとして並行提供する点にある。利用企業側は、対象システムや優先度に応じて必要な領域からクラウド利用を開始する形をとるため、どのデータや業務をどの順序で連携対象に置くかの設計が論点になりうる。NECはiStorage Vシリーズ向けに「iStorage Vシリーズ SDSクラウドボリュームサービス」と「ランサムウェア対策・復旧支援サービス」を販売開始するとしている。
業界波及の論点
現時点で整理できるのは、NECが「iStorage Vシリーズ」とAWS上のSDSを接続するマネージドサービスを提示し、クラウド移行・データ利活用・災害対策という用途を明示した点、ならびに「Secure Snap」を用いたランサムウェア対策の構築、復旧訓練、復旧作業支援を同時にサービスとして用意した点に限られる。これを受け、ストレージ運用とクラウド利用開始の範囲設計、災害対策環境の持ち方、復旧訓練を含む運用プロセスの組み込み方が、導入判断の論点として残る形だ。
