日本電気株式会社(以下、NEC)とシュナイダーエレクトリック(以下、シュナイダー)は4日、シュナイダーが提供するGIS活用ソリューション「EcoStruxure™ ArcFM」の日本市場における導入拡大に向け、覚書を締結したと発表した。電力会社や電力系通信事業者などを対象に、設備情報を地図上で可視化し、設計から運用・保守までの業務効率化につなげる狙いを示している。
対象の「EcoStruxure ArcFM(エコストラクチャー アークエフエム、以下ArcFM)」は、電力・通信やガス、上下水道などのユーティリティ事業者向けの、GISベースの設備管理・設計プラットフォームとされる。米Esri社のGIS統合プラットフォーム「ArcGIS」を基盤とし、電力・ガス業界のデータモデルの国際標準に準拠した「ArcGIS Utility Network」をベースに開発された。ネットワーク資産を地図上で可視化し、設計、保守、運用の各プロセスを一元的かつ効率的に実施できるとしている。ADMS(高度配電管理システム)との連携にも対応し、情報をシームレスにつなぐデジタルワークフローの実現を掲げる。電柱や変圧器の位置や接続関係、設備を流れるリソースの状態などの可視化を通じ、現場業務の効率化をうたう。
ArcFMについて
NECはArcFMの最初のトレーニングを2026年3月までに修了し、設計・編集・モバイル端末などソフトウェアに応じた個別の基礎技術トレーニングを順次受講する。実装技術のトレーニングを経て、2026年度内にシュナイダーエレクトリックの公式認定パートナー(Certified Partner)となることを目標としている。
両社は、日本の電力事業者や電力系通信事業者向けのPoC(概念実証)や導入案件で緊密に協力する方針を示した。ガスなど他のユーティリティ事業領域でも協力関係を深めるとしている。
近年、日本ではインフラの老朽化が社会問題となっている。電力やガスなどのユーティリティ事業者では、GISや系統管理基盤の刷新、再生可能エネルギーをはじめとする分散電源対応のためのシステム高度化が急務となっている。各事業者が自社独自の資産管理システムを用いてきた結果、業界全体の標準化が進まず、リアルタイムなデータ連携や運用・保守に課題が多く存在したという。
シュナイダーは、システム刷新や業界全体でのプラットフォーム標準化が今後加速する日本市場において、ArcFMを次世代型のデジタル化された高度な系統システムを支えるソリューションの選択肢と説明している。NECはITサービス事業・社会インフラ事業を展開しており、今回の協力を通じて、日本市場でのArcFM導入拡大に関与する形となる。
NECは認定パートナーへ
今回の枠組みは、シュナイダーが提供するArcFMを軸に、NECがトレーニング受講とパートナー認定取得を進める形をとっている。ガスなど他のユーティリティ領域でも協力関係を深めるとしている。
運用面では、NECが2026年3月までに最初のトレーニングを修了し、その後に個別の基礎技術トレーニングや実装技術トレーニングを順次受講する工程が示された。法人向けの案件形成においては、PoCや導入案件での協力範囲、認定パートナー化の進捗、対象が電力事業者・電力系通信事業者に加えて他ユーティリティへ及ぶかが、焦点となりそうだ。
