日本電気株式会社は、SAPジャパンから「SAP Appreciation for Partner Excellence 2026」を受賞した。SAPの戦略に沿ったプロジェクト推進とその成果が評価されたもので、基幹システムモダナイゼーションプロジェクトにおけるRISE with SAPへの移行完了などが表彰対象となった。
表彰理由には、RISE with SAPへの移行完了に加え、クリーンコア化の推進が盛り込まれた。生成AIとツールチェーンを活用した開発プロセスの高度化や、データドリブン経営を支える柔軟なデジタル経営基盤の構築も挙げられ、基幹システム刷新と開発手法の転換、経営インフラ整備を一体で進めた点が評価された。
基幹刷新で受賞
日本電気が受けたSAP Appreciation for Partner Excellence 2026は、基幹システムモダナイゼーションプロジェクトを対象とする。RISE with SAPへの移行完了、クリーンコア化、生成AIとツールチェーンを活用した開発プロセス高度化、データドリブン経営を支える柔軟なデジタル経営基盤の構築が主な評価項目となった。
「RISE with SAPへの移行完了」は、クラウドERP主力ソリューションへの移行実績を重視するSAPジャパンの評価軸と合致する。クリーンコア化は、個別開発の抑制と標準機能の活用を通じて、将来の保守性やアップグレード性を高める取り組みだ。日本電気はこれらに加え、生成AIとツールチェーンを活用した開発プロセス高度化を掲げ、基幹システムの刷新と開発体制の再構築を一体のプロジェクトとして進めた。
今回の受賞により、日本電気は基幹システムモダナイゼーションプロジェクトを軸に、ERP移行、開発プロセスの高度化、デジタル経営基盤の整備を包括的に推進していることが浮き彫りになった。クラウドERP移行にとどまらず、業務・IT両面での変革を伴うプロジェクトとして認知が広がる公算が大きい。
同種の表彰プログラムでは、パートナー各社がSAPのクラウドERPや周辺領域での導入実績を積み上げている。SAP Appreciation for Partner Excellence 2026では、NTTデータグローバルソリューションズが、SAP ECC6.0からGROW with SAP S/4HANA Cloud Public EditionへのマイグレーションプロジェクトとSAP Integrated Business Planningの提案・導入を評価対象に含めた受賞を公表した。PwCコンサルティングは、MizkanグループのプロジェクトGENE(Group ERP for Next Era)を対象に、SAP Project of the Year(最優秀プロジェクト表彰)とSAP SuccessFactors HCMの2部門での受賞を明らかにしている。
また、フォーティエンスは、リオ・ホールディングスのSAP Cloud ERP活用プロジェクトで、会計・購買領域のモダナイゼーションを含む内容が評価され、SAP Project Excellence部門を受賞した。SAP Appreciation for Partner Excellenceプログラムは第29回を数え、SAPビジネスへの貢献度や顧客満足度、導入プロジェクトの価値を総合評価してパートナー企業を選出している。日本電気の受賞も、クラウドERPを核とした基幹刷新と経営基盤強化を同時に推し進めた点が、SAPの戦略との整合性を含めて高く評価された形だ。
移行完了と開発高度化
基幹システムモダナイゼーションプロジェクトは、RISE with SAPへの移行完了を軸に据え、クリーンコア化、生成AIとツールチェーンを活用した開発プロセス高度化、データドリブン経営を支える柔軟なデジタル経営基盤の構築といった要素を組み合わせた構成となる。ERPのクラウド移行と同時に、標準機能中心のシステム設計や自動化・効率化を意識した開発プロセスへの転換を進めることで、変化する事業環境への俊敏な対応を狙う。
受賞対象が「基幹システムモダナイゼーションプロジェクト」とされていることから、ERP移行だけでなく、開発プロセスや経営基盤の整備を同時に扱う包括的な取り組みであることがうかがえる。RISE with SAPの移行完了を起点に、クリーンコア化や生成AI・ツールチェーンの活用、データドリブン経営基盤の構築へと論点を連ねる構成は、日本企業における基幹刷新の新たなモデルケースとなる可能性がある。
他社の受賞事例では、対象プロジェクトが「SAP ECC6.0からGROW with SAP S/4HANA Cloud Public Editionへのマイグレーション」や「SAP Integrated Business Planningの提案・導入」、「SAP SuccessFactors HCM」など、具体的なサービス名やモジュール名とともに提示されている。日本電気のケースは、プロジェクト名を「基幹システムモダナイゼーションプロジェクト」とし、RISE with SAP移行完了と開発プロセス高度化、経営基盤構築を一体の枠組みとして示した点に特徴がある。
SAPジャパンはクラウドERP主力ソリューションにRISE with SAPを据え、パートナー評価でクラウド移行実績を重視している。今回の表彰では、中心に移行完了が置かれる一方、クリーンコア化や生成AI・ツールチェーン活用、データドリブン経営基盤の構築も併せて評価された。基幹システムの刷新を単なるシステム更改にとどめず、開発・運用プロセスや経営インフラの変革まで射程を広げる流れが一段と鮮明になった格好だ。
