NECは、新たに開発したNEC独自の映像分析技術を活用した「NEC デジタルツインソリューション 現場可視化・分析サービス」拡充版を本年3月より提供開始する。従来の類似サービスで必要だった導入前の現場作業の動画撮影を不要とした。現場で起きている事象をデータ化しやすくする。
拡充版は、映像中の特定の作業行動や状況をテキスト入力で指定し、AIが条件に合致する場面を自動認識する点を特徴とする。例えば「荷物を棚から取る作業」「機械の前に立っている状態」などの文章入力で、映像分析の条件設定を行う。NECが長年培ってきた独自の映像AI技術により、現場のさまざまな事象を映像認識AIで自動的にデータ化し、デジタル空間上に再現するデジタルツインソリューションの一つで、現場の可視化・分析を通じたリソース最適化や作業効率化を目的に据える。
5年で40億円目標
NECは関連サービスを含め、5年間で40億円の販売目標を掲げる。導入前の準備作業について、NECは短縮が可能だとしている。また、専門家による手作業の削減を通じ、スモールスタートから企業全体への拡大導入まで対応可能だとしている。
背景には、人口減少の影響により、物流倉庫や製造工場、建設現場などで人手不足が深刻化し、省人化と業務効率化が求められている状況がある。AIを活用した現場の可視化により、実際に起きていること・起きたこと(現場のファクト)に基づいた分析と、リソースの最適化、作業効率化といった現場マネジメントへのニーズが高まっているという。
一方で、現場ごとに異なる環境や顧客ごとの分析ニーズに応じてAIを活用するには、事前に作業現場をカメラで長時間撮影した映像データの準備が必要になり、手間や費用が発生することが課題だった。NECは拡充版で、導入前の動画撮影を不要とすることを打ち出している。
テキスト入力で条件設定
拡充版では、新たに開発したNEC独自の映像分析技術と自然言語処理技術により、ユーザーがテキスト入力だけで映像分析条件を設定できる形をとる。導入後も、現場で新たなニーズが発生した際に、その場でテキスト入力するだけで分析条件を追加・変更でき、複数条件にも同時対応できるとしている。
テキスト入力による短期間での導入に加え、少量の学習データを追加することで認識精度をさらに高めることができるとしている。現場環境や作業内容に応じた学習データを段階的に蓄積し、作業行動の認識精度を高める運用を想定する。また、テキスト入力による条件設定と、それに基づく分析レポートの自動生成により、利用開始までに必要だった専門家の手作業を削減する考えも示している。
今後は、業務プロセスマイニングやAIによる最適化シミュレーション、他の経営データとの連携による経営判断支援など、より高度な分析機能の実装を予定している。導入に向けては、テキスト入力での条件設定と、少量の学習データ追加による精度調整をどう組み合わせるかが焦点となり、現場側の運用でどこまで条件追加・変更を行う形をとるかが論点になりうる。NECは拡充版を、映像AIを用いた現場可視化・分析の提供メニューとして3月から提供開始する予定だ。
