ナレルグループ<9163>は3月13日、2026年10月期第1四半期(1Q)決算を発表した。中計投資で1Q減益となり、事前に示していた方向性に沿う結果となった。業績への影響は利益面に及んだが、外部流出や拡散といった事案はなく、同社は成長投資を継続する方針だ。本件は、建設・ITの技術者派遣で稼働率や人員体制をどう底上げするかに波及しうる。
ナレルグループの1Qは、採用投資と営業体制強化に伴う戦略投資を実施した局面にあたる。減益は構造的な収益力低下ではなく、中長期の売上成長基盤を構築するための先行投資という位置づけだ。2026年10月期は上期の利益伸長が抑制される一方、稼働率の改善で売上成長が下期以降に顕在化する見通しを示した。
ナレルGが1Q減益
2026年10月期1Qの売上収益は前年同期比6.5%増の6,276百万円、営業利益は同19.6%減の724百万円だった。
採用投資および営業体制強化に伴う戦略投資を織り込んだ「事前アナウンス通り」の減益となった。もっとも実績は計画を上回り、営業利益は計画507百万円に対して724百万円で着地した。
同社は、将来の単価上昇やDX展開を見据えた戦略投資と説明している。
結果として、短期の利益は圧迫されたが、局面は中長期の売上成長基盤を積み上げる段階だと整理できる。
通期は増収増益を計画
2026年10月期の連結業績見通しは、売上収益が前期比21.1%増の29,250百万円、営業利益が同6.5%増の3,010百万円とした。中期経営計画の初年度として、営業・採用部門の人員増強といった成長投資を先行させるため、上期は利益の伸びが抑制される見立てである。
一方で、稼働率改善に伴う売上成長が下期以降に顕在化する見通しを示した。
計画達成に向けては稼働率の改善を進める方針で、営業体制の強化、営業エリアの広域化、建設DXの強化を掲げた。
短期の採用・営業投資と、稼働率の改善を梃子にした下期偏重の収益設計が軸となる。
2030年に売上500億円目標
新中期経営計画「Change and Growth 2030」(2026年10月期~2030年10月期)では、「人材とテクノロジーの両輪で建設業界の未来を支える」ことを基本方針に据えた。建設業界の課題とされる人材不足と生産性向上に対し、コア事業の強化に加え、建設DXや職人紹介事業の拡大を推進する計画だ。
最終年度の2030年10月期に、売上収益50,000百万円、営業利益5,000百万円、ROE20%以上、技術者数8,000人の定量目標を掲げる。
計画は前半を成長基盤の構築期として投資を優先し、後半で収益性向上と成長加速に取り組む。計画自体はオーガニック成長のみで構成する一方、M&Aも積極的に検討するとした。
株主還元では、中期経営計画期間中は減配しない方針も示している。
Arentと建設DX連携拡張
足元の取り組みとして、建設業界中心のDXコンサルティングを手がけるArent<5254>と、実装型建設DXモデルの戦略的拡張で業務提携を発表した。
ナレルグループの伴走型建設DX人材がプロダクトの現場浸透を担い、実装現場で得られた知見をArentの開発チームへフィードバックし、プロダクト改善につなげるナレッジ循環モデルの構築を狙う。
中計の進捗をみる指標としては、稼働率や退職率、初期導入フェーズにあるDX・BPO関連売上の積み上げが挙げられている。
中計初年度の先行投資局面を経て、稼働率の改善や建設DXの実装がどこまで事業運営に組み込まれるかが、同社の成長投資の継続性を左右する論点となる。
