医学書出版の株式会社南江堂(東京都文京区)は、医療用医薬品情報集「今日の治療薬WEB」と、NTTプレシジョンメディシン株式会社(東京都千代田区)が提供する在宅医療対応電子カルテと連携させたと発表した。これにより、電子カルテの処方入力画面から薬剤情報を直接検索できる機能の提供を開始した。
南江堂は1977年に書籍『今日の治療薬』を刊行し、毎年改訂版を発行してきた。2023年9月にはデジタル版の「今日の治療薬WEB」をリリースしており、現場からは電子カルテとの連携要望が寄せられていた。今回の取り組みはこうした要望に応える形で実現したもので、医師や薬剤師が診療中に必要な薬剤情報へ迅速にアクセスできる環境を整えることを目的としている。
南江堂とNTTプレシジョンメディシンがシステム連携
新たに提供された連携機能では、電子カルテ画面からワンクリックで「今日の治療薬WEB」を参照できる。書籍には掲載されていない腎機能低下時や小児・妊婦への投与量などの情報も閲覧でき、従来よりも効率的な検索が可能になった。南江堂によると、「今日の治療薬WEB」を単独利用した場合でもクリニックあたり年間約5.6時間の業務短縮効果が見込まれていた。
「今日の治療薬WEB」はPCのブラウザ上で動作し、同効薬の比較や解説参照がその場で行える設計だ。今回の電子カルテ連携により、処方業務と照会作業の一体化が進むとしている。
医療情報DXの一環として連携拡大へ
今回の連携は、南江堂が進めてきた医療情報のデジタル化施策の延長にあたる。同社は書籍出版だけでなく、電子医学コンテンツ「最新の臨床WEB」など法人向けサービスも展開しており、医療機関が臨床情報と薬剤情報を横断的に参照できる環境の整備を図ってきた。背景には、診療現場での電子カルテ活用が在宅分野にも広がる動きがある。
NTTプレシジョンメディシンは、在宅医療向けの電子カルテを運用する医療ICT企業であり、今回の連携を通じて南江堂が保有する薬剤データベースとの組み合わせを実装した。