株式会社エムティーアイ(東京都新宿区)は22日、2026年8月の創立30周年を前に経営理念を刷新し、新たなパーパスとして「生きるを変えていく。」を掲げた。人をテーマに据え、テクノロジーと社会の調和を通じて、生活者一人ひとりの生き方を豊かにする未来像を打ち出した。理念の改定により、事業変革と社会課題解決を両立させる姿勢を明確にした。
同社はコンテンツ事業を中核に据えながら、ヘルスケアや学校DX、行政・金融機関向けのDX支援などに展開している。今回の理念刷新は、これら多様な事業を「人」を中心に再定義するものであり、企業活動全体を通じて社会システムの再構築を進める方針だ。テクノロジーの活用を軸に、生活者の安心や自由の向上を図る実践的な経営方針の一環と位置づける。
創立30周年を機に理念刷新
新しい経営理念は、長期的な企業の方向性を示すもので、1996年の創業以来の原点を引き継ぎつつ現代社会の変化に応じた内容となった。
経営理念刷新の中心に「人」を置いた背景には、AIやデジタル技術の急速な進化に伴い、テクノロジーと人間の関係性を改めて問い直す必要性があるという認識がある。エムティーアイは、人が自分らしく生きられる社会の実現を企業使命とし、社会システムの再定義に挑戦する姿勢を打ち出した。
同社が掲げたパーパス「生きるを変えていく。」は、生活者の健康や暮らし、女性の課題解決など、人々の生活に直結する領域を中心にした取り組みを象徴する。
Missionには「人とテクノロジーの調和」、Visionには「社会システムのリフレーミング」を設定し、既成概念を刷新して持続可能な未来を創出する方針を明確にしている。
DX事業と社会課題解決の両立を強調
エムティーアイグループは、従来のコンテンツ収益を基盤に、ヘルスケアや学校DX[デジタルトランスフォーメーション]など、社会インフラに関わる分野を成長の柱としている。
2025年のインベストメントブリッジIRレポートによると、グループ全体でDXの推進を通じて健康、行政、教育など多様な領域の課題解決に取り組んでいる。
理念刷新は、この中期的成長戦略に呼応する施策といえる。
事業範囲の拡大により、コンシューマー向けのサービス提供から、行政・医療・金融・教育機関といった幅広いステークホルダーとの協働体制が整いつつある。
理念の更新は、この多面的な事業展開の共通軸を「人中心の価値提供」として統一する狙いを持つ。
社会変化を踏まえた再定義の背景
1996年の創業当初、同社は携帯電話向けコンテンツを主力事業として成長した。
その後、スマートフォンやクラウド技術の普及を受け、医療や教育を含む公共性の高い領域へ活動を拡大してきた。テクノロジーを社会構造の変革に活用する姿勢は一貫しており、この長期的な事業変遷が経営理念の刷新につながったとみられる。
また、社会全体でも人口構造の変化や価値観の多様化により、従来の仕組みでは対応できない課題が顕在化している。
特にヘルスケアや教育の分野では、デジタル化を基盤とした新たなシステム設計が求められており、同社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を活かす余地が大きい。
理念刷新は、このような社会構造変化を踏まえた長期的経営対応の一環ともいえる。
今回の経営理念の改定は、エムティーアイが社会課題解決を中心に据えた企業体制を強化する道筋を示すものだ。
今後は、「人」をテーマとする新理念のもとで、ヘルスケア領域の拡充や行政・教育機関との共同プロジェクトの加速が注目される。