森六株式会社(東京都港区)は、財務特約付のシンジケートローン契約を結ぶことを決めた。契約締結日は2026年3月27日、借入日は同年4月1日を予定しており、借入金の元本は150億円。弁済期限は2033年3月31日とされている。今回のローンは、株式取得資金としてレゾナックが営むモビリティ事業の一部を譲り受ける目的で設立される新会社の全株式を取得する投資に充てる。
今回の借入れは、複数の金融機関による協調融資の形をとる。相手先は都市銀行、地方銀行、信託銀行の計6行で構成される。借入れの担保は設定されていない。森六は本件により資金調達力を確保し、2025年9月に決議したレゾナックからのモビリティ事業一部譲受に関わる子会社化を計画通り実行する構えを示した。
150億円を調達し子会社化を支援
財務特約は、2026年3月期以降、純資産額を前期末比または直近期末比75%以上に維持すること、営業損益を2期連続赤字にしないこと、有利子負債の合計金額を営業利益と減価償却費の合計で除した値が7を超えないことを条件としている。これにより一定の財務規律を保ちながら、今回の子会社取得後の事業継続に備える形をとる。ローン契約による業績への影響は、すでに同社の2026年3月期連結業績予想に織り込み済みとされている。
森六は1916年創業の化学品・合成樹脂製品メーカーで、自動車内外装部品の製造・加工を手がける。2025年9月にはレゾナック・ホールディングス(東京都港区)から同社モビリティ事業の一部譲受を目的として、同社が新設する成形部材分割準備株式会社の全株式取得を決議しており、これを2026年4月1日に実行予定としていた。
レゾナック側は、自動車用樹脂成形品分野での技術を森六の加飾・電装技術と融合し、競争力の高い製品を展開する方針を打ち出している。成形部材分割準備株式会社の株式譲渡には、レゾナックの子会社であるレゾナック・オートモーティブプロダクツ(福岡県田川市)やResoac Automotive Products Thailad Co., Ltd.(タイ)も含まれ、取得価額は178億円規模とされている。
財務規律維持を前提とした長期融資体制
今回のシンジケートローンは、7年を超える貸付期間を設定し、協調融資団により均等条件で資金を供給する形をとる。契約には財務上の特約が付されており、財務指標の維持と収益性の確保を求める内容が明確化された。再貸付や担保設定の予定は開示されていない。
また、ローン契約による調達資金は譲受対象会社の株式取得資金に用いられることが示されており、借入金の返済計画は2033年3月までの長期的スパンで設定されている。今後の業績動向によっては予想修正を速やかに行う方針を示している。
森六にとって本融資契約は、レゾナックからのモビリティ事業取得を推進するための資金的裏付けを整備する段階といえる。財務特約の維持が事業推進の条件となるため、今後の財務運営では一定の自主規律が求められる構造となっている。