株式会社イメージ・マジック(東京都文京区)が運営するオンデマンドプリントサービス「オリジナルプリント.jp」は、森永製菓の人気お菓子6種のパッケージをカスタマイズできる新サービスを26日に始めた。パッケージ表面に写真やメッセージ、企業ロゴなどをレイアウトし、フルカラーで印刷する。ノベルティやギフト調達の選択肢を広げる取り組みとなる。
対象は「チョコボール」や「ハイチュウ」などのロングセラー商品で、受け取り手が商品を想起しやすい既存パッケージに指定のデザイン要素を載せてオリジナル包装を作る。注文はサイト内のお問い合わせフォームから受け付け、利用は販促・ギフト・個人利用に限定し、販売目的は不可とした。2,200種類以上を扱う同社のオンデマンドプリント事業に、菓子パッケージという消費商材を組み込む施策となる。
最小100点の新サービス
取り扱いは森永製菓の6商品とし、最小ロットは100点からに設定した。パッケージ表面への写真・ロゴ・メッセージなどのフルカラープリントを基本とし、キャンペーンやイベント配布、店舗のオープン記念など法人のビジネス用途を主な利用場面として想定する。ノベルティ市場では配布対象や開催日程に合わせ、数量を柔軟に調整しやすい小ロット調達の需要が根強い。印刷対象をアパレルや雑貨以外に広げることで、調達部門が検討できる媒体の幅を広げる狙いがある。
対象商品は、オリジナルチョコボール(ピーナッツ)、森永 オリジナルハイチュウ、森永 オリジナル小枝、森永 オリジナルミルクキャラメル、森永 オリジナルラムネ、森永 オリジナルinバープロテイン(ベイクドチョコ)の6種。ハイチュウは「グレープ」「ストロベリー」「すッパイチュウ<レモン味>」の3種から味を選べる。既存の菓子ブランドを前面に出したまま、パッケージ表面への個別印刷でメッセージやロゴを重ねる設計とし、配布物として受け取った際の記憶定着や好意形成を狙う。
イメージ・マジックは東証グロース上場企業で、「オリジナルプリント.jp」を自社ECとして運営する。Tシャツ、バッグ、マグカップなど物販・配布向け商材を中心に2,200種類以上をそろえ、1点からの注文から大量生産まで対応する体制を整えてきた。2026年4月2日には折りたたみ傘4種の取り扱い開始を予定しており、既存カテゴリの掘り下げと用途別の商材追加を同時並行で進める。
今回の菓子パッケージは、従来のオリジナルグッズ制作に比べ、配布後に消費される性質を持つ点が特徴となる。イベントや来店・会員向け配布では、受け取りやすさや持ち帰りやすさを重視する場面が多い。既存パッケージの高い認知を活用できる森永製菓のロングセラー6種を据えたことは、デザインの自由度に加え、受け手側の想起のしやすさや安心感に配慮した選定といえる。
窓口限定の受注運用
運用面では、注文窓口をサイト内のお問い合わせフォームに限定し、オンライン経由の受注フローを採用する。カスタマイズ範囲はパッケージ表面のみに絞る一方で、テンプレートの提供やオリジナル書体・商品ロゴ・画像素材の利用にも対応し、データ作成の導線を設ける。法人の短納期案件や、社内に十分なデザインリソースを持たない発注元からの需要を取り込む狙いがある。
利用制限として「販促・ギフト・個人利用限定」と明示し、販売目的での利用を認めない。ノベルティ調達では配布物が景品類規制やキャンペーン設計と直結するケースが多く、用途をあらかじめ区分することは、発注企業の社内審査や契約条件の整理を進めやすくする面がある。注文経路を問い合わせフォームに絞る設計は、案件ごとの仕様調整やデザイン確認、版下チェックなどの工程を織り込んだ運用を行う意図が大きい。他方で、定型的なEC購入とは異なるため、企業側では社内稟議の書式や見積・発注フローとの接続を前提にした準備が求められる。
供給形態は少量の100点からとし、対象6種にラインアップを限定する。商品を絞ることで、選定や校了の工程を定型化しやすく、入稿から納品までのリードタイム短縮にもつなげやすい。一方で、用途ごとに適した味や形態を組み合わせて発注する余地も残し、イベントの来場層や配布シーンに合わせた細かな設計に応じられるようにした。カスタマイズ範囲をパッケージ表面にとどめる仕様は、既存ブランドの表示要素を維持しつつ個別印刷を行う運用に寄せたもので、商品仕様に踏み込まず配布用途へ転用する線引きを示す位置付けとなる。
ノベルティ調達の変化
オンデマンドプリント業界では、小ロット対応やオンラインでのデータ入稿・デザイン作成機能の普及により、アパレルや雑貨を中心にサービス領域が拡大してきた。イメージ・マジックも同サイトで幅広いアイテムを扱い、1点単位の小口から法人向け大量案件までを受け付け、販促・物販・記念品など用途別に入口を整備している。展示会出展も活発で、2026年3月18〜19日には西日本最大級のオーダーグッズ展示会「OGBS大阪」への出展を予定する。こうした商談の場では、折りたたみ傘のような機能性アイテムや省スペースで配布しやすい商材の採用が一つの潮流となっており、4月に予定する新商品の投入とも足並みをそろえる。
菓子パッケージのカスタマイズは、衣料・雑貨など従来の主要カテゴリと比べて事例が限られてきた領域だ。森永製菓のロングセラー商品を用い、既存のパッケージ認知を残したまま表面に写真やメッセージ、企業ロゴを載せる設計は、受け手が中身とブランドイメージを即座に結び付けられる構造を前提にしている。調達側からみると、配布物に既知の食品ブランドを採用できることは、上長や関係部門への説明コストの削減や、受け手の受容性を見込みやすい点につながる。一方で、菓子ブランド固有の表示要件やデザイン審査プロセスが関わる案件では、入稿から校了までの工程設計が重要になりやすく、問い合わせフォームを起点とする受注は、こうした案件に合わせて個別に条件を調整しやすい。
企業のノベルティ活用は、キャンペーンやイベント配布、店舗のオープン記念など配布タイミングが明確な案件が中心となる。最小100点というロット設定は、全国規模の一斉配布よりも、拠点単位やイベント単位での展開に適合しやすい水準だ。物価上昇やコスト高の局面では、在庫をかかえず必要数だけを発注する小ロット調達の重要性が増しており、消費される菓子パッケージをノベルティに取り込むことで、保管スペースの圧縮や在庫リスク抑制といった観点からも採用余地が広がる。
環境負荷低減やSDGsを重視する調達基準を設ける企業も増えるなか、イメージ・マジックはSDGsゴール12「つくる責任つかう責任」を重点目標に掲げる。ノベルティ選定の社内ルールに環境配慮を盛り込む動きが広がる一方で、同社は対象商品を森永製菓の6品に絞り、パッケージ表面印刷と用途制限を明確化することで、製造ロットや廃棄リスクを管理しやすい枠組みを整えた。配布物の設計段階から「使い切ること」を前提にしたアイテムを提案することで、企業のサステナビリティ指針にも沿いやすくした格好だ。
競合環境では、インターネット経由でアパレル・雑貨を中心にオンデマンドプリントを提供する事業者が多数存在し、展示会でも複数社がブースを構える構図が続く。菓子パッケージの個別印刷に踏み込む今回の施策は、既存カテゴリの機能追加というより、配布媒体そのものの種類を拡張する動きと位置づけられる。発注部門にとっては、Tシャツやトートバッグといった従来型グッズに加え、消費される食品ノベルティという新たな選択肢が加わることで、比較検討の軸が「長期使用」から「手軽さ」「話題性」「廃棄リスク」などへ多様化しやすくなる。
法人向け制作では、オンライン上のデザインツール提供や、製造・出荷のソリューション連携が差別化要因になりやすい。イメージ・マジックは国内外の大手メーカーとの連携を通じて、オンデマンド生産を前提にしたサプライチェーン構築を進めてきた。菓子パッケージという新領域を、既存の受注導線やデザインシステムとどう組み合わせるかが、他社との差異化と案件獲得力を左右する。食品分野のブランドと協業する今回の取り組みを足場に、今後どの程度までノベルティの媒体ポートフォリオを広げられるかが注目される。
