持田製薬株式会社(東京都新宿区)は、米国テネシー州メンフィス近郊に全額出資の子会社「Mochida Medical USA, Inc.」を設立した。新会社は医療機器の販売および開発を担い、神経再生誘導材「ReFeel」の販売や新たな医療機器の開発を行う予定だ。設立日は2025年7月28日で、資本金は1,410千ドル。
持田製薬は、アルギン酸を基盤としたバイオマテリアル事業を成長事業の一つに位置づけ、グローバル展開を進めている。今回の米国子会社設立は、2025年度から始動した新中期経営計画「25-27中計」における「成長戦略加速の3年間」の一環であり、成長事業への継続投資として推進してきた海外展開の具体策にあたる。
メンフィス近郊に事業拠点、販売と開発を担う
子会社のMochida Medical USAは、医療機器の販売および研究開発を主な業務とし、持田製薬が推進するバイオマテリアル事業の海外展開を担う。神経損傷治療材「ReFeel」に関する業務を開始する予定であるほか、米国市場向けの新製品開発を進める構想を示している。現地法人の代表者はPresidentの毛利文彦氏。
新拠点は、この推進体制のもとでバイオマテリアル関連ビジネスを現地で展開する働きを持つ。
バイオマテリアル事業の海外展開を制度化
バイオマテリアル事業は、2025年5月に発表された中期経営計画で「成長事業の継続投資」として明記されている。海外展開の重点領域にはエパデール、ジエノゲスト製剤、バイオマテリアル事業が挙げられており、今回の米国子会社設立はこれらの方針に沿う動きだ。持田製薬の2024年度売上高は1,051億円で、2027年度に1,200億円を目標としており、成長事業の収益化を図る計画を掲げている。
同計画の下では、海外事業室を中心に社内横断的な連携を強化する方針が示されており、バイオマテリアルの早期上市や生産性向上を図る施策も盛り込まれている。これを受け、現地拠点の設立が実行段階に進んだ。
運営主体と今後の展開スキーム
新会社の全株式は持田製薬が保有する形をとる。持田製薬が事業統括を担い、米国法人が現地販売および開発業務を実施する構造となっている。
Mochida Medical USAは単独法人として設立され、資本関係上の親会社は持田製薬のみである。設立目的は明確に米国における事業展開の拠点形成にあり、現地での継続的運用を前提に据えているとされる。
数量や再販についての具体的情報は示されておらず、販売開始時期や販路の区分に関する詳細は今後詰められる見通し。協業先や製造委託先に関する情報も現時点では開示されていないが、持田製薬が直接支配する運営形態をとる方針が明示されている。
グローバル展開を進めるバイオマテリアル事業
今回の動きは、持田製薬が展開を進めてきたバイオマテリアル事業における海外拠点形成の一環である。これまで同社はアルギン酸を活用した素材開発に注力しており、国内での研究開発体制を整備してきた。これを基に海外市場での製品化・事業化に向けた取り組みを進めている。
持田製薬の経営計画では、海外展開とあわせて成長領域を拡大し、研究開発および生産体制を強化する方針が示されている。今回の米国拠点設立は、その実行過程に位置づけられる動きとみられる。
運用面では、現地法人が販売業務と新規開発を担う点が特徴で、持田製薬の米国内での事業基盤の一端を構成する。業務開始時期などの具体的日程は未公表であり、体制整備の進捗が注目点となる。
今回のMochida Medical USA設立により、持田製薬はバイオマテリアル事業の国際展開を制度的に進める枠組みを整えた形となる。