株式会社モブキャストホールディングス(東京都渋谷区)は、ソラナ・トレジャリー事業で自社ソラナバリデータ「WIZE Validator」の本格運用を開始した。保有する暗号資産ソラナ(SOL)の運用を取引所から段階的に自社バリデータへ移行する方針を掲げており、保有SOLの運用手段と体制を転換する狙いがある。
WIZE Validatorは、ソラナネットワーク上でトランザクションの検証とブロック生成を担うノードで、運用はDawn Labs(代表:南雲悠太郎)との協業で進める。ソラナ財団公認の「Solana Foundation Delegation Program」に正式採択されたバリデータであり、ソラナ・トレジャリー事業を暗号資産の「保有」にとどめず「運用」へ広げる取り組みとなる。
累計21,400 SOL超
同社は2025年10月からSOLの取得・保有を開始し、現在までに累計21,400 SOL超を取得した。取得規模は累計約4.6億円とされる。2025年からソラナバリデータのテスト運用も進めており、2026年3月23日の発表を機に本格運用フェーズへ移行した。
本格運用にあわせ、LST(リキッドステーキングトークン)の活用、DeFiプロトコルとの連携、外部デリゲーションの受け入れを段階的施策として打ち出した。LSTは、ステーキングしたSOLの利回りを得ながら、代替トークンを通じて流動性を確保する仕組みとされ、バリデータ運用の拡張と保有資産の運用多様化を両立させる構えだ。
同社は今後、保有するSOLの運用を取引所から自社バリデータへ段階的に移行する。運用体制はモブキャストHDを主体に、Dawn Labsが技術面などで関与する協業モデルを採用する。バリデータ名称は「WIZE Validator」で、バリデータIDは「MBVyz9s72WSfUmbr1S8fgHjDJQkPs1Q4Wxi6A2Mees9」としている。
同社は2026年4月1日付で商号を「株式会社WIZE(ワイズ)」へ変更する予定で、これを「第二の創業」と位置づける。定款には「ブロックチェーン技術等の分散型台帳技術を利用したネットワークの維持、管理、認証業務」を新たに追加する方針で、WIZE Validatorの本格運用を中核事業の一つとして組み込む。新商号にはWind、Innovation、Zero、Zenith、Ecosystem、Wiseの意味を重ねたと説明している。
Dawn Labsと協業運用
WIZE Validatorの運用はDawn Labsとの協業枠組みで進める。Solana Foundation Delegation Programは、ソラナネットワークのセキュリティ強化と分散化を目的に財団が選定したバリデータに委任を行う制度であり、採択はネットワーク運用能力や信頼性の評価につながる。同社は、財団の公認プログラムの下で運用に参画する点をWIZE Validatorの特徴として打ち出す。
モブキャストホールディングスは、ソラナネットワーク上でトランザクション検証とブロック生成を行うノードを自社で運用することで、ソラナ・トレジャリー事業を「保有」から「運用」へ拡張する。保有SOLの運用手段を取引所中心から自社バリデータ中心へシフトさせる方針を明確にし、Dawn Labsとの役割分担のもと、技術運用体制を整備する。
背景には、企業が暗号資産を財務戦略の一部として組み込み、ブロックチェーンネットワークの運用にも主体的に関与する動きがある。ソラナではバリデータがトランザクション検証とブロック生成を担い、分散化されたノード群がネットワークセキュリティを支える。イーサリアムなど類似ブロックチェーンで多数のノードが検証に参加し、合意形成を通じて検証を行う分散運用モデルが一般化しており、ソラナ財団のDelegation Program採択は、こうした分散運用の一翼を担うバリデータとしての位置付けを示す指標となる。
本格運用開始とともに掲げたLST活用、DeFiプロトコルとの連携、外部デリゲーション受け入れの3施策により、同社は自社保有分に加え外部から委任されたSOLも取り込み、運用規模の拡大を視野に入れる。運用形態は、取引所での受動的な保有・運用から、自社バリデータを軸にした積極的なステーキング・DeFi連携へと重心を移す。
2026年4月1日の商号変更と定款改定を経て、分散型台帳技術を利用したネットワークの維持・管理・認証業務は、同社の新たな事業柱として位置づけられる。ソラナ・トレジャリー事業では保有から運用までを一体で担う体制づくりが焦点となり、今後は外部デリゲーション受け入れやDeFi連携の具体化、ならびに取引所運用からの移行プロセスが注目される。なお、本件による連結業績予想の修正は行わず、業績への影響は軽微としている。
