エムエム建材株式会社(東京都港区)とNTTドコモビジネス株式会社は、金属スクラップの資源循環におけるトレーサビリティを実現するプラットフォーム「STELLAR HUB™(金属スクラップ資源循環プラットフォーム)」の提供を開始すると発表した。建築物の解体工事や金属製品の製造過程で発生するスクラップの情報を、サプライチェーン全体で取得・共有する仕組みとし、データに基づく資源循環の透明化を進める。
建設・製造分野では、カーボンニュートラルの実現に向けた電炉鋼材利用の拡大と、主原料となる金属スクラップ調達の高度化が求められている。両社は、これらの動きに対応し、解体や再資源化の現場で発生するスクラップの正確なデータ把握と、資源循環業務の効率化を目的に共同事業を組成した。エムエム建材が事業主体を務め、NTTドコモビジネスがICT基盤構築と運用を担う体制をとる。
NTTドコモビジネスのCEMPF®を採用
新プラットフォームは、NTTドコモビジネスが保有する再生資源循環基盤「CEMPF®(Circular Economy Management Platform)」を採用している。各プレイヤー—施主、建設業者、鉄鋼メーカー、リサイクル事業者など—間の取引情報を統合管理し、金属スクラップ発生から電炉鋼材供給までを可視化する仕組みを構築する。提供開始は2026年3月を予定しており、第三者認証の取得により、資源循環性を裏付ける鋼材「STELLAR HUB STEEL™」の展開も見込まれている。
システム導入は段階的に進められる。初期段階(STEP1)では、エムエム建材が扱う資源流通の可視化を中心に運用し、順次機能拡張(STEP2以降)を行う。常設的に利用できる構成を目指し、業界内の広範な利用を図る計画だ。
資源循環の可視化基盤を共創
エムエム建材は建設鋼材・製鋼原料を扱う専門商社として、業界全体の資源循環を高度化する取り組みを進めている。2014年にメタルワングループと三井物産グループの事業統合により発足し、国内外で建設鋼材と製鋼原料の調達・加工を展開している。NTTドコモビジネスは法人向けICT事業を手がけ、2025年7月に現社名へ変更した。両社は2025年11月施行の「再資源化事業等高度化法」を踏まえ、法制度下での資源循環データ連携に対応する環境を整備する。
背景には、鉄鋼業におけるCO2排出削減要求と、流通・リサイクル情報が点在する現行構造への課題がある。点在データを総合化し、透明性と信頼性を確保することで、業界横断的なデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環と位置づけられている。
提供形態は段階的拡張を予定し、数量限定や期間制の条件は設けていない。利用主体となる企業群に応じたデータ連携機能を順次追加する構成をとる。NTTドコモビジネスがシステム開発と運用を担い、エムエム建材が業界知見や流通現場からの要望を反映する役割を果たす。両社の関係は共同事業としての継続性を前提に設計されている。
今後は、サプライチェーン全体のデータ連携強化を通じて、グリーン戦略の推進を進める計画を示した。エムエム建材とNTTドコモビジネスの協業は、鉄鋼・建設業における再資源化プロセスのデジタル化を具体化する取り組みの一環となる。