株式会社商船三井(東京都港区)と株式会社大林組、川崎重工業株式会社、千代田化工建設株式会社の4社は、ニュージーランドにおけるグリーン水素製造と日本への輸出事業化に向けた検討を目的とするコンソーシアム「日本ニュージーランド水素コリドー」を設立した。ニュージーランドを起点に水素サプライチェーン構築を検討し、日本向け輸出の実現を目指す。
「日本ニュージーランド水素コリドー」は、ニュージーランドを起点とした水素サプライチェーンの構築と、同国から日本へのグリーン水素輸出の実現に向け、2026年度より検討を行い、2030年代初頭の輸出入開始を目指す。
日本の自給率15.3%
日本のエネルギー自給率と再生可能エネルギーの割合は2023年度時点で、エネルギー自給率が約15.3%、発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合が約22.9%となっている。ニュージーランドの再生可能エネルギーは2024年時点で、一次エネルギー供給の約45.5%が再生可能エネルギー由来で、電力は水力・地熱・風力などの再生可能エネルギーで賄っている。
水素は燃焼時にCO2を排出せず、モビリティー分野のほか、温室効果ガスの排出削減がとくに困難な鉄鋼・化学といった産業におけるエネルギー転換や、火力発電での混焼利用などでの利活用が期待されている。一方で、日本はエネルギー自給率が低く、再生可能エネルギーの割合も示されており、将来的に大規模なグリーン水素需要を国内供給のみで賄うことは困難であると考えられている。
ニュージーランドは地熱発電や水力発電などの豊富な再生可能エネルギーを有し、政府が水素産業育成に注力する方針を打ち出している。2024年11月に「Hydrogen Action Plan(水素行動計画)」を発表し、規制障壁の低減や投資環境の整備を通じて、民間主導で低排出水素市場を拡大する方針を採っている。
4社がコリドー設立
コンソーシアムの会長には株式会社大林組の安藤賢一専務執行役員(グリーンエネルギー本部長)が就いた。副会長は川崎重工業株式会社の西村元彦専務執行役員(エネルギーソリューション&マリンカンパニープレジデント)と、株式会社商船三井の鍬田博文副社長執行役員(チーフオペレーティングオフィサー)が務める。理事には千代田化工建設株式会社の伊藤利之執行役員(フロンティアビジネス本部長)が名を連ねる。
活動内容としては、ニュージーランドを起点とした水素サプライチェーン構築と、日本へのグリーン水素輸出の実現に向けて、2026年度より検討を行う方針を示している。一方で、輸出入開始時期は「2030年代初頭を目指す」としている。
日本と良好な外交、通商関係を有するニュージーランドからのグリーン水素輸入は、安定した国際関係の下で構築される持続可能なエネルギー供給の観点から、日本の脱炭素化の推進とエネルギー安全保障に貢献することが期待される。今後の注目点は、2026年度からの検討の進め方と、2030年代初頭の輸出入開始に向けてサプライチェーン構築の検討がどこまで具体化するかである。
