三菱電機は19日、インドネシアで昇降機の製造・販売を行う三菱ジャヤ・エレベーター&エスカレーター(MJEE)と、空調機器などの販売・サービスを手がける三菱電機インドネシア(MEIN)が、ジャカルタ中心部で計画される複合都市開発「Two Sudirman Jakarta」の超高層ビル2棟向けに昇降機や空調機器などを受注したと明らかにした。都市開発案件での一括提案が進むことで、建物設備の調達先選定や機器構成に影響が及ぶ可能性がある。
受注の理由として三菱電機は、MJEEの豊富な実績と高い製品・サービスが評価された点に加え、MEINを通じたグループ内連携を生かした空調機器などの提案による幅広い製品ラインアップを挙げた。インドネシア市場で培った販売・保守網を背景に、昇降機と空調機器を組み合わせた総合提案力を前面に出した。
昇降機96台と空調404台を一括納入
受注した昇降機は、高速エレベーター17台、中低速エレベーター49台、エスカレーター30台の計96台となる。空調機器は、ビル用マルチエアコン351台(直膨エアハンドリングユニット含む)、パッケージエアコン27台、ルームエアコン26台の計404台に加え、ハンドドライヤー38台も納入する。複数カテゴリの機器を同一プロジェクト向けに一括で供給する構成で、設計段階から設備調達を一体で組み立てる案件運営に沿った内容となった。
建設計画は、ジャカルタのメインストリート「スディルマン通り」に面する一等地に高層ビルを建設する複合都市開発プロジェクトだ。建設されるビルは、A棟が地上74階建てで高さ約330m、B棟が地上65階建てで高さ約270mの分譲住宅棟という構成。用途はA棟がオフィスやホテル、サービスアパートメント、商業施設を含み、インドネシア国内で有数の超高層建築物となる見通しだ。プロジェクトは2028年末に開業予定とされている。
事業主は三菱地所と、PT Benhil Property(ピーティー・ベンヒル・プロパティ)、PT Taspen Properti Indonesia(ピーティー・タスペン・プロパティ・インドネシア)の3社。超高層ツインタワー開発を軸に、業務・商業・住宅機能を複合させた計画が進むなか、三菱電機は昇降機と空調を含む設備一式のパッケージ提案を行い、受注につなげた。
今回の受注を担う現地体制では、MJEEが昇降機の製造・販売を担い、MEINが空調機器などの販売・サービスを担う。MJEEは1996年10月に設立され、出資比率は三菱電機56%、三菱電機ビルソリューションズ24%、Pembangunan Jaya 20%。MEINは資本金900億インドネシアルピア(約8.1億円)で、MJEEとのグループ内連携を通じて空調機器を含む提案の幅を広げてきた。
スディルマン通り周辺を含むジャカルタ中心部では、オフィスや高級住宅需要の高まりを背景に都市開発が相次ぎ、超高層複合施設の設備発注が活発化している。Two Sudirman Jakartaは、A棟が約330m級、B棟が約270m級の規模を持つ大型プロジェクトで、国内有数の超高層案件と位置づけられる。事業主の一社である三菱地所はPT Benhil Property、PT Taspen Properti Indonesiaと共同で同プロジェクトを推進し、海外不動産販売に関する専任パートナーシップ契約も結んでいる。
MJEEとMEINがグループ連携を強化
受注の進め方では、MJEEの長年の実績に加え、MEINを通じたグループ内連携を生かし、昇降機と空調機器、ハンドドライヤーを組み合わせた一体提案を行った。納入対象が複数の設備カテゴリにまたがることで、設計・施工・保守の各段階で調整コストの削減や運用効率の向上が見込めるとしている。三菱電機はインドネシア昇降機事業で高品質・高信頼性製品の納入実績を積み重ねており、今回の大型案件を足がかりに、安全・安心・快適な都市空間づくりへの関与を一段と強める構えだ。
