三菱電機ビルソリューションズ株式会社(東京都千代田区)は、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人認定制度」において、「健康経営優良法人2026」に認定された。企業理念の実現に向けた原動力を「人財」とし、一人一人の健康を欠かすことのできないものと捉える。健康経営推進を通じ、多様な人財が能力を発揮し活躍できる環境を整える方針も示した。
同社は「健康経営」を、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する取り組みの一つと説明する。この概念は「国民の健康寿命の延伸」を目指す施策に位置づけられ、日本再興戦略、未来投資戦略にも組み込まれている。三菱電機ビルソリューションズは、ビルシステム事業で開発・製造から保守・リニューアルまで一貫した事業運営を行う三菱電機の連結子会社で、2022年4月に設立された。昇降機、空調・冷熱機器、ビルシステムなどの製品・サービス群に加え、ビル運用管理の経験とデジタル技術を掛け合わせた統合ソリューションを提供する。
2026認定は計26850法人
「健康経営優良法人認定制度」は、社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目的に、2016年度に経済産業省が創設した制度だ。特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業などの法人を顕彰し、取り組みの「見える化」を図る枠組みとされる。2026年度は「健康経営優良法人2026」として、大規模法人部門で3,765法人、中小規模法人部門で23,085法人が認定された。大規模法人部門の上位法人には「ホワイト500」、中小規模法人部門の上位500法人には「ブライト500」、501〜1500法人には「ネクストブライト1000」の区分も設けられている。
制度の評価は、経営理念、組織体制、制度・施策実行、評価・改善、法令遵守・リスクマネジメントの視点から行われる。組織体制の観点では責任者の設置や保険者との連携が論点に置かれ、制度・施策実行では健康診断の受診率向上、ストレスチェック、過重労働防止などが項目例として挙げられる。取り組みの実行後は評価・改善の観点でPDCAサイクルの定着が求められる形をとり、法令遵守・リスクマネジメントの観点も含めて総合的に判断する仕組みになっている。
認定制度は経済産業省と日本健康会議が共同で実施している。日本健康会議は、少子高齢化が急速に進展する日本で、国民一人一人の健康寿命延伸と適正な医療を巡り、民間組織が連携し行政の全面的な支援のもと実効的な活動を行う枠組みとして組織された。制度設計では、企業が健康経営の取り組みを外部に示しやすい環境を整えることが意図され、認定の枠組みを通じて企業側の取り組みを相対的に示す仕組みが用意された。
「健康経営」の定義は、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践するものとされる。政策面では「国民の健康寿命の延伸」を目指す施策に位置づけられ、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられている。三菱電機ビルソリューションズは、企業理念として「技術革新へのひたむきな挑戦と、人と社会に寄り添った価値の提供により、ビル・都市空間における人々の豊かな暮らしに貢献する」を掲げ、この実現に向けた原動力を「人財」とし、個々の健康を欠かすことのできないものと認識している。
制度運用は年度ごとに見直しも進む。2026年度からは「成果の質」を重視する方向への転換が示され、評価の観点では「性差・年齢に配慮した職場づくり」や「健康風土の醸成」といった新設項目が設けられた。前者は女性従業員の更年期や妊娠期に関する支援、高年齢従業員への対応、プレコンセプションケアなどを含む項目立てとされ、後者は組織全体の健康に対する空気感の把握を含む項目とされる。加えて、認定条件に関しては部門ごとに達成項目数の基準が示され、大規模法人部門では17項目中14項目以上、中小規模法人部門では8項目以上が条件の一例とされる。
三菱電機BSが認定取得
三菱電機ビルソリューションズの今回の動きは、健康経営推進を企業運営の枠組みに取り込み、対外的に示す認定の形で位置づけたものだ。認定制度の枠組みは、経営理念から組織体制、施策の実行、評価・改善、法令遵守・リスクマネジメントまでの観点で整理されており、同社は制度上の評価軸に沿った形で認定を受けたことになる。健康経営の概念を「国民の健康寿命の延伸」を目指す施策に位置づけられたものと説明し、日本再興戦略、未来投資戦略に組み込まれている点も、社内の取り組みを政策的な枠組みと接続して説明する構成となった。
制度の外形としては、経済産業省と日本健康会議が共同で実施し、優良な健康経営を実践する法人を顕彰して「見える化」する。国や公共団体が交付する一部補助金の申請時に加点などの優遇措置が設けられる場合があるほか、金融機関の融資で優遇金利が適用される枠組みが示されることもある。こうした制度面の扱いにより、認定は単なる表彰にとどまらず、行政施策や金融実務の接点を持つ仕組みとしての性格が強まりつつある。
運用面では、評価が複数の観点で行われ、組織体制や施策実行、評価・改善までを含む枠組みで設計されているため、企業側は社内の責任者設置や保険者連携、健康診断やストレスチェックなどの実行、改善サイクルの運用を組み合わせることが求められる。三菱電機ビルソリューションズは、健康経営の推進により、多様な人財が最大限の能力を発揮し活躍できる環境を整え、社会に貢献していく考えを示している。
制度が「見える化」を目的に据える以上、認定の有無が社外に提示される情報となり得る点が焦点となる。取引実務では、補助金の加点措置や融資条件の優遇が制度上示される場合があるため、申請主体や金融機関との手続きにおける必要書類、認定の扱いを社内で整える運用が前提となる。三菱電機ビルソリューションズは、健康経営推進の枠組みを認定の形で示し、人的資本を重視する経営姿勢を対外的にも明確にする構えだ。
