株式会社ミクニ(東京都千代田区)は、2026年3月期第3四半期の連結決算を発表した。連結営業利益は前年同期比で55.4%増の2,944百万円となり、大幅に増加した。売上高は75,521百万円で前年並み。為替が円高で推移した影響を受け横ばいとなったが、全事業セグメントで営業損益が改善したことで営業利益が伸びた。
全体の改善は、モビリティ、ガステクノ、商社、その他の4事業で進んだためだ。ミクニは燃料噴射装置や流量制御機器などを手掛け、国内外で製造・販売を行っている。モビリティ事業ではインド拠点の堅調な業績や中国拠点再編の効果、取引価格の適性化などが寄与した。商社事業は航空機部品や芝管理機械の需要が堅調で、売上・利益とも伸びた。全般的にコスト低減や既存製品の採算改善を進める動きを示している。
四半期連結業績75,521百万円
2026年3月期第3四半期の連結売上高は75,521百万円で、前年同期比0.0%増。営業利益は55.4%増の2,944百万円、経常利益は55.5%増の2,654百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,323百万円となった。設備投資は4,076百万円、研究開発費は3,803百万円だった。期中平均為替レートは対米ドルで148.08円。為替影響は約▲16億円とした。
セグメント別では、モビリティ事業の売上高が62,212百万円で前年同期比0.3%減となった一方、営業利益は43.3%増となった。ガステクノ事業は中国市場の内需低迷で減収だったが、営業損失を124百万円改善した。商社事業は売上高7,621百万円で10.8%増、営業利益は28.4%増。その他事業は増収増益となり、福祉介護機器や電動車いすの販売が伸びた。
連結の財政状況では、総資産114,098百万円(前期比3.8%増)、純資産40,507百万円(同4.3%増)、自己資本比率は34.7%となった。有利子負債は39,995百万円へ増加している。1株当たり純資産は1,177.52円。
通期の連結業績予想は、売上高を従来予想から1,500百万円上方修正して102,500百万円、営業利益を800百万円上方修正して3,800百万円、経常利益を900百万円上方修正して3,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を500百万円上方修正して1,600百万円とした。
全事業セグメントで改善、通期予想を上方修正
ミクニはモビリティ事業が主軸を形成し、ガス機器、商社、その他の事業がこれを補完する構造をとる。モビリティでは新モデルの販売増や海外拠点再編による効率化が寄与した。商社事業では民間航空機向けや官公庁向け部品の需要が堅調だった。海外子会社における品質保証や福利厚生関連の一時費用を見込んでいるが、全体として期中は順調に進んでいる。
事業ごとの営業損益改善が連結増益の主因となり、第3四半期までの進捗率が高く、通期業績見通しの修正につながった。前回(中間決算時)公表した通期業績予想に達する水準で推移しており、北米関税によるコスト増を為替の円安傾向が相殺した形になった。航空機用部品の輸入販売が伸長し商社事業を押し上げている。
また、研究開発費や設備投資額は前年並みながら、減価償却費を抑制し財務体質の安定化を図っている。結果として利益率が改善する動きを示した。
同社における資産構成の変化では、有価証券および現預金の増加が流動性の確保につながった。負債の内訳では固定負債が増加し、有利子負債がやや拡大した。これらの動きは年度後半の投資計画に備える形となったものだ。
事業別の取引構造をみると各セグメント間の補完性が強く、商社系収益が海外展開や輸入販売を支える構造をとっている。航空機部品調達や芝管理機械販売など、民間・公共双方に向けた納入ベースの取引が拡大した。
海外事業では、インド拠点の生産・販売が堅調に推移し、中国拠点では再編効率化が寄与した。これらの拠点は継続的なコスト適正化を行い、本業の収益改善につながっている。
提供体制や製造機能の分担については、事業単位で明示されており、モビリティ製品が量産ベース、ガステクノ製品が特定市場向けと分かれる構成だ。販路については特定チャネルごとに異なるが、全体で数量限定や単発提供の形ではなく、継続展開の型をとっている。再販に関する方針は特に明示されていない。
同日に示された通期業績見通しでは、第4四半期に一時的な減損や費用発生を織り込みつつも、全体では堅調とみる姿勢が示された。2026年3月期は前期比で営業利益900百万円増を計画済みだ。
財務指標の動きからは、自己資本比率34.7%、総資産114,098百万円と、過去年度より安定した構成を維持している。流動資産の増加は売上回収の改善につながる形となっている。
今回の上方修正により、取引や出資の管理担当部門では、セグメント間の利益推移を再確認する必要がある。特に商社事業やモビリティ事業を中心に第4四半期に向けた調達コストや販売計画の確認が注目点となる。ミクニは引き続き全事業で営業損益の改善を進める姿勢だ。